西高通信制の卒業生など有志たち 「新彩雲」25年間の発行に幕 本づくりで生まれた絆 大切に【舞鶴】
投稿日時:2013年12月24日(火)
西舞鶴高校通信制課程の卒業生などの有志たちが発行を続けてきた同人誌「新彩雲(あやぐも)」が、今月の特別号で25年間の幕を下ろす。身辺雑記のエッセイ、地域の歴史研究、五行詩などを寄せ、51号まで重ねた。編集作業を務めた委員たちが思い出を綴り、本づくりで生まれた絆を今後も大切にしたいとする。
卒業生たちの輪をつくろうと、西高文芸部顧問だった林幸子教諭が呼びかけ、1988年9月に赤いリボンで綴じた手書きの第1号を送り出した。教師たちにも原稿を依頼し、編集や印刷、製本など全て手作り。1冊は100ページ前後だった。
発行当初は寄稿する人も多く、年4回出した年もあったが、その後2回、1回になった。会費をもらった会員に発送し、府北部を中心に最大で60人に届けていた。広島県に住む読者もいる。しかし近年は会員の高齢化と減少で30部にとどまり、廃刊を決めた。
最後の特別号には通信でも教えた西高校長の故高宮健さんが、同誌に書き綴った連載「丹後の神の風土記」の63回目の最終回のほか、11人の文章や短歌などを掲載した。あとがきには編集委員、歴代の3人の編集長が思い出を記した。
89歳で委員最年長の桃井種夫さん=京月町=は「63歳で卒業と同時に発行がスタートした。故郷の佐渡のことを書いた」、引土の小谷要一さん(74)は「ここまで長く続いたと思う。編集作業は楽しく、これで最後かと思うと寂しい」と話す。
2代目編集長の三木伊都子さん(82)=宮津市=は、夫を亡くし二児の子育てをしながら37歳で入学し、苦手な数学と英語を居残って教師から指導を受け、7年間かけて卒業した。学ぶ喜びを知りさらに短大の通信に通った。「高宮先生が亡くなられた時には追悼の特集号を作りました。最終号になり残念ですが、仲間たちとこれからも集まることにしています」と語った。
最後の編集長の森脇ふさ子さん(64)=福来=は、「教科書を開けるだけで楽しかった」と通信で学んだ体験を振り返り、あとがきに「何でも言える 喧嘩も出来る ごめんなさい ありがとう 大切な仲間」と五行歌でいまの気持ちを伝えた。
写真=最後の特別号の発送をする編集委員たち(西市民プラザで)
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