特集「人物館より」 ものづくり一筋に歩む 村上保幸(むらかみやすゆき)さん 自然の素材を巧みに【舞鶴】
投稿日時:2014年02月17日(月)
海の流木を使った自然の味わいある作品作りを2010年9月から始め、現在までに約400点製作し、舞鶴市福来の工房で展示もしている。岩場や砂利の浜に落ちている流木や根付きの竹を使い、飾りの椅子、写真立て、花器、ポーチラック、動物の形をしたボールペン立てなど、様々な作品が並ぶ。
ユニバーサル造船で約40年間、溶接の仕事に従事。きっかけは退職後の2010年に、孫と一緒に行った海水浴場で、家の花に添えようと拾って帰った流木だった。妻の好美さん(65)から「流木で何か作品を作ってみれば」と言われ、高さ20センチ程の小さな椅子を作ったのが始まりで今も続けている。
好美さんの実家の一戸建てを工房に作品作りを始め、当初は近所の人などにプレゼントしていたが、今では作品を見た人からの注文にも応じ、提供もしている。お店には売っていない大きさのものを注文されることが多いという。昨年春までは、瀬崎のふるるファームで販売していた。
流木は拾った時の形のまま作品に使うため、設計図を書き、使う箇所に合った長さや曲がり具合の木を探しに、瀬崎や丹後半島の経ヶ岬、伊根などの海岸に1日掛かりで拾いに行く。海水に長く浸かっていたものが塩分を含んで虫が食わず長持ちするため、新しいものや川の流木は使わないという。折れにくく使いやすい椿が多く使用され、根付きの竹を使った花器も多数製作している。
手の力で扱えるドリル、ジグソー、グラインダーの3種類の道具を使い、冬場は週3日、春からはほぼ毎日、朝から夜まで作業をする。2日で完成する椅子もあれば、10日かかる大型のポーチラックもある。最近では1カ月かけて、拾ってきたガラス片を貼り合わせたランプも製作している。
木が傷まないようニスを塗り、濃淡を使って3種類の色付けをしたり、バーナーで焼き目のデザインを施すなどして仕上げる。独自の経験を重ね、今ではネジ穴を木でふさぎ、家具調に仕上げるまでになった。
「特注で作ってもらえるのが嬉しいと言われ、やりがいになっている。どの方向から見ても良い形に仕上げるのがこだわり。たくさんの人に見てもらえるよう、外に作品を並べて展示会も開いていきたい」と、創作の意欲は尽きない。作品の見学や問い合わせは、電話090・8821・6334、村上さんまで。
【プロフィール】1947年生まれ。舞鶴市久田美出身。ユニバーサル造船勤務時は、府の溶接コンクールで知事賞を3回受賞。現場では若手育成の指導員も務める。福来
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