近代化の象徴 カラミれんが 赤れんが博物館中庭に展示 愛媛県・別子銅山の遺産寄贈【舞鶴】
投稿日時:2014年02月07日(金)
舞鶴市浜の赤れんがパーク・赤れんが博物館に、愛媛県新居浜市から同市の別子銅山(1973年閉山)の「カラミれんが」2個が寄贈された。今月から同館入口横の中庭に、2個を重ね合わせた状態で、生野鉱山(兵庫県朝来市)の「カラミ石」と並べて展示されている。
「カラミれんが」は、鉱石から銅や銀などの金属を取り出す時に出る、不純物として捨てられていた鉱滓(こうさい)を活用するため、鋳型(いがた)で固めて作られたもので、赤れんがの倍の重さがある。明治期に西洋の技術が入り、銅の生産が伸びて販売されるようになり、重さを活かして建物の土台や石垣に使われていた。
昨年秋に同市議会の視察団が訪れ、同館に展示されている別子銅山の歴史の紹介や生野鉱山の「カラミ石」がきっかけとなり、一部が寄贈されることとなった。
寄贈されたれんがは、新居浜市が銅山を運営していた住友金属鉱山別子事業所から譲り受けたもので、長さ45センチ、幅22センチ、厚さ15センチ、重さは45キロで、主な成分は鉄が40~50%、硅酸が30~40%程度。銅の精錬過程の際の煙害を避けるため、新居浜沖20キロにある瀬戸内海の四阪島(愛媛県今治市)で昭和初~中期に作られたとみられる。
別子銅山は住友家が江戸時代に開発し、閉山までの約280年間に銅70万トンを産出し、関連企業が発展することで住友財閥の基礎を築き、日本の近代化に貢献した。
同館2階では、「カラミれんが」と連動した展示コーナー「日本の鉱山―近代化の歩み」を常設している。午前9時~午後5時。入館料は一般300円、学生150円。
【問い合わせ】電話66・1095、同館
写真=左が新居浜市から寄贈されたカラミれんが2個。右は生野鉱山のカラミ石
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