引き揚げを全国の高校生へ 東高の荒木さんと坂口さん 研究大会で発表 米国での署名活動を報告 抑留体験者から聞き取りも【舞鶴】
投稿日時:2014年07月22日(火)
アメリカで引き揚げの歴史を伝え、ユネスコ世界記憶遺産登録の署名活動をした東舞鶴高校の2年生2人が、8月7日、福井市で開かれる第51回全国国際教育研究大会・生徒研究発表の部で、その活動を述べることになった。引き揚げをさらに詳しく知るため、シベリア抑留を体験し、舞鶴引揚記念館で語り部活動をする原田二郎さん(89)=綾部市=から聞き取りもした。国際交流基金の「かけはしプロジェクト」で、東高の生徒12人が今年1月12日~同25日、米国ロサンゼルスやヒューストンなどを訪れ、地元の高校生たちと交流。事前に舞鶴の引き揚げの歴史や抑留資料のユネスコ記憶遺産登録への取り組みなどを学び、米国で発表したほか、舞鶴市民たちが登録を応援するための署名活動に協力して、米国でも署名を集めた。研究大会に参加するのは、国際文化コースの荒木碧海さん(17)、人文科学コースの坂口瑠依さん(同)。発表テーマは「舞鶴引揚記念館~ユネスコ記憶遺産登録署名活動を通じて~」。米国で取り組んだ活動、記憶遺産候補に選ばれたことなどを紹介するパワーポイントを作成し、8分内で述べる。2人は、終戦時に旧満州からシベリアのハバロフスクへ抑留され、1949年に引き揚げてきた原田さんに、抑留中の食糧や生活、語り部活動への思いなどをインタビュー。原田さんから乏しい食糧と極寒で次々と仲間たちが死んでいったこと、引き揚げてきても続いた苦しい生活などを聞き、「戦争はあってならない。生きている間は戦争の悲惨さを子供たちに伝えていきたい」と答えていた。荒木さんは「原田さんから当時の様子を聞き、発表に説得力をもたせしっかりと伝えたい」、坂口さんは「米国でのプレゼンで学んだ時、知らないことがあったので、今回はさらに深めた発表にしたい」と意気込む。同記念館の山下美晴館長は「若い人たちが抑留や引き揚げで感じたことを、自ら発信していくことに意義がある。記念館としてもこうした取り組みが増えていくよう応援したい」と話していた。
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