前向きに生きる姿学ぶ 市身障センターが学校へ出前講座 障害者自らの体験子供らに語る 派遣依頼増え昨年43件に 障害のマイナスイメージ払拭へ【舞鶴】
投稿日時:2014年07月29日(火)
子供たちに障害を持つ人たちについて理解を深めてもらおうと、舞鶴市身体障害者福祉センターが行なう学校への出前講座の派遣依頼が増えている。聴覚や肢体、視覚などの障害者が自らの体験を伝え、日常生活をサポートするボランティアが支援活動の実習も取り入れている。前向きに生きる障害者たちの話に子供たちも熱心に耳を傾け、障害への先入観を払拭している。同センターの出前講座は2009年から実施している。小学校を中心に1校4~5回継続して訪問する。当初、1人の障害者だけで訪れていたが、様々な障害があることを知ってもらおうと、3、4人が担当することにした。4年前からはオストメイト(人工肛門)やペースメーカーを装着する人も加わった。言語障害がある人でも事前にセンター職員と打ち合わせ、原稿を作成してから訪問する。当事者だけでなく、その生活を支援するため点字や手話、要約筆記、ガイドヘルプなどでセンターを拠点に活動するボランティアグループも来校し、サポート方法を子供たちへの実習で指導している。障害学習への理解を進める教員が各校へ転勤するにしたがって依頼も増え、申し込みが殺到したため調整している。また、1年間の派遣終了後には講師を務めた人たちが課題を話し合い、次年度の講座内容の見直しを図ってきた。昨年は43件の依頼があった。7月14日には中筋小学校5年生108人の元を、聴覚障害の内藤和子さん、ペースメーカーを付ける鯵本ミツ子さん、脊柱管狭窄症の和高隼生さん、視覚障害の森下房江さんが訪れた。和高さんは移動手段として乗るハンドバイクを説明し、次第に視力を失った森下さんは外出が困難になったが、ハイキングに出掛けたりと気持ちを切り替えた体験を語り、児童たちも次々と質問した。5年生の伊藤千尋さんは「前向きな姿を見て私もそんな人になりたいと思いました。何か手伝うことがあればしたい」と感想を述べた。森下さんは「目が見えないことはどういう状態なのか、自分のこととして感じてもらえたと思います」と話した。同センター相談員の毛受(めんじょう)裕美さんは「児童たちはこれまで障害者は家から出ないといったマイナスのイメージを持っていたようですが、講座終了後には生活を楽しみ、自分たちにもできないことをしているというプラスのイメージに変わっていきます。講座を通して同じ人間として変わらないということを学んでもらえれば」と話している。出前講座の問い合わせは同センター(電話63・3008)。
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