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京都産の酒米「祝」収穫に励む 泉源寺の椋本和明さん 舞鶴で唯一の生産者 酒造組合と府の要望で増産へ 「どんな酒になるか楽しみ」【舞鶴】

京都産の酒米「祝」収穫に励む 泉源寺の椋本和明さん 舞鶴で唯一の生産者 酒造組合と府の要望で増産へ 「どんな酒になるか楽しみ」【舞鶴】

投稿日時:2014年10月07日(火)

よく実った祝と稲刈りをする椋本さん

 一時栽培が途絶え、1990年に復活した京都産の酒米「祝」の収穫作業が、泉源寺の田んぼで始まった。京都の醸造組合から地元の酒米を使った酒造りをしたいとの要望を受け、京都府も農家に増産を依頼し生産の拡大を目指している。舞鶴では専業農家の椋本和明さん(49)=泉源寺=が唯一の栽培者で、昨年までの0・3ヘクタールから今年は1ヘクタールに面積を増やして取り組んだ。祝は1933(昭和8)年、府立農業試験場丹後分場で独自に開発された京都生まれの酒米。吟醸酒づくりに向く良質な品種で、46年にかけて奨励品種となり、多い時には府内で600ヘクタール以上生産されていたが、戦後は食糧増産のため収量が少ない祝は次第に作られなくなった。55年から再び栽培されるようになり、伏見の蔵元で最も多く使われるようになった。しかし、稲の背が高く倒れやすく収穫時期も遅いため作りにくく、74年以降姿を消した。その後、伏見の酒造組合の働きかけで府立農業総合研究所などが栽培法を改良し、90年から再度復活した。最近は和食のユネスコ無形文化遺産の登録で、日本酒の魅力も見直され、京都の蔵元は地元の酒米で仕込んだ酒造りへのこだわりも強くなっている。そこで府酒造組合連合会が昨年、祝の増産を府に要望した。国による米の生産調整(減反)が2018年度をめどに廃止されるため、府は予想される米価の下落対策として、需要が見込め価格も有利な祝の生産拡大を目指し、10アールあたりにつき補助金を出している。府内の生産面積は昨年78ヘクタールだったが、今年は120ヘクタールにまで増えた。取り引き価格は同じ酒米の五百万石よりも高い。泉源寺のNPO法人京極マリア祈りの里は遊休農地を活用し、地域の特産品を作ろうと2011年から祝を栽培し、舞鶴の蔵元「池田酒造」が純米吟醸酒に仕込んでいる。同法人理事の椋本さんが祝の栽培を担当していることを知った府と酒造メーカーから、昨年12月増産の依頼を受けた。今年は5月中旬に田植えをし、1回のみの除草剤による低農薬栽培をした。途中何度か、府職員などが水管理や肥料などの指導に訪れ、今月2日から収穫を始めた。椋本さんは「日照不足や大雨の影響は少なく、よくできている。自分の作った米が京都のこだわりのお酒になるのはうれしい。どんな日本酒になるのか楽しみ」と話していた。

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