ちーたび 香り楽しみ地酒ファン広がる 池田酒造 市民ら蔵見学、試飲【舞鶴】
投稿日時:2015年02月20日(金)
舞鶴で唯一の造り酒屋である中山の「池田酒造」(池田恭治代表)で、今シーズンの仕込み作業が行なわれている。昨年から全量を自家醸造に切り替え、叔母に替わって池田さんが杜氏を務める。2月14日には、京都府北部地域・大学連携機構主催の見学会があり、市民12人がいい香りのする酒蔵に入り、発酵するもろみを見た。由良川近くに位置する同社は1879(明治12)年創業。需要の減少に伴って大手メーカーから原酒を買い上げる「樽買い」が次第に増え、20年間醸造を休止していた。2006年から叔母の孝子さんが醸造の資格を取って杜氏を務め、試験的に自家醸造を復活させ、08年から本格的に開始した。10年には出荷の全量の3割だけが自家醸造だったが、昨年からは全量を占めている。一昨年に孝子さんが引退し、池田さん(45)が後を受け4月までの今期に1升瓶で6000~7000本の生産を予定している。地元産の酒米「日本晴」などを使って、「池雲」の銘柄で純米酒などを造る。市民たちで「池雲会」が結成され、応援してくれる人も増え、認知度が高まるにしたがい、店で扱う市外の酒販店も増えてきた。それでも消費は市内が95%であることから、市外への販路拡大を課題に上げる。池田さんは「応援をいただきありがたいことです。もっと地酒のファンに届くように営業していきたい」と話す。見学会は地元ガイドによる交流まちあるき「ちーたび」の一環。参加者たちは洗米から蒸し、糀作り、絞りなどの工程の説明を受け、タンクで発酵中のもろみを覗いたり、品評会用に造る斗瓶に入った酒を見た。その後、中山公民館で出来たての新酒を試飲し、鹿肉料理も味わった。佐藤晋一さん(48)=森=は「初めて酒蔵を見学して、温度管理など大変な手間がかかることが分かった。その苦労を思い出しながら、これからは日本酒を味わおうと思います」と話していた。
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