命の防災教育 被災地から 震災からまもなく4年 名取市の佐竹さん報告 日星高、幼稚園再建を支援【舞鶴】
投稿日時:2015年03月10日(火)
東日本大震災から4年を前に、被災地支援を続ける上安久の日星高校で3月6日、3・11のつどいが開かれた。生徒たちは何度も募金活動を行い、宮城県名取市の幼稚園再建に役立ててきた。昨年再建された美田(みた)園わかば幼稚園の佐竹悦子園長(63)が訪れ、生徒たちにお礼を述べるとともに、いま現地で命を守る防災教育に力を入れていることを話した。海岸部の閖上(ゆりあげ)地区は800人以上の死者と行方不明者がいた。私立閖上幼稚園は園児4人と教諭1人が亡くなった。生徒たちは市民らの協力を得て約70万円の募金を再建費用にと届けた。閖上地区から美田園地区に移転し、美田園わかば幼稚園と変更して昨年春再スタートを切った。震災当時、市立閖上保育所の所長だった佐竹さんは、昨年1月に続いて来校。以前から津波被害を危惧し、職員たちとすでにある避難マニュアルを見直し、避難経路などを検討した上で、当日は①逃げる②車で移動する③閖上小学校に避難する、と3つを指示し、5台の車に54人の子供を分乗させ、無事避難させた。「あと2分判断が遅ければ渋滞で車を動かすことができなかった」と振り返る。その後、子供たちは大人に甘えられず、がまんをしてストレスを抱えていたため、心のケアをする取り組みをした。また、市民らと防災教育の市民グループ「ゆりあげかもめ」を立ち上げ、3月末で同園の退職後も、災害時の非常食づくりや学習会、震災の語り部活動などを続けていく。佐竹さんは「いま自分たちはどんな場所に暮らしているのか、気付くことが命を守ることにつながる。自分たちに何ができるか、これからも考えてほしい」と語った。募金4万円を手渡した生徒会副会長の安田那津美さん(2年)は「命の尊さを身にしみて感じました。だれかのために行動できる気持ちを大切に、生徒会にできることでお手伝いしていきたい」と話していた。
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