神崎ホフマン窯に関心を 文化教育財団 冊子を作成 全国に4基 れんが建造物建設に貢献 修復保存終え、経過や写真を掲載【舞鶴】
投稿日時:2015年03月13日(金)
西神崎にある神崎ホフマン窯の修復保存を行なった森町の公益財団法人舞鶴文化教育財団(高橋照理事長)は、ホフマン窯の歴史や修復工事の概要と完成写真などを掲載した冊子(A4版、32ページ)を作成した。舞鶴のれんが建造物の建設に貢献した貴重な窯を知ってもらえるよう、冊子を活用したいとする。1897(明治30)年に登り窯として建造され、舞鶴軍港の建設に伴って倉庫の建材に使うれんがを製造。大正末期に楕円形型のホフマン窯に改良された。1958(昭和33)年ごろに製造を中止した。現在、ホフマン窯は全国に4基しか残っていない。国の登録有形文化財、近代化産業遺産になっている。競売で入札し所有者となった同財団が、長年の風雨で倒壊の危険があったことから、有識者らによる検討委員会を設け、調査や修復計画を進めてきた。12年に工事に着工し、約8200万円をかけ13年に完成させた。窯全体を覆う素屋根を設け、焼成室内部が見学できるように外側壁の一部を積み直し、目地を注入するなどして補強した。高さ約24メートルの主煙突はひびが入っていたため、上半分を切り取って降ろし修復をいまも続けている。2000部作った冊子にはこうした窯の歴史的役割、稼働していた当時の写真、保存工事の経過と完成後の写真などを多数載せた。数十部を関係者や地元住民らに無料配布した。今後も文化財関係者の視察やふるさと学習などの機会に利用していく。高橋理事長(85)は「協力していただた方たちへのお礼と報告として冊子を作りました。これを機に多くの人に神崎ホフマン窯へ関心を高めてもらい、今後の活用に市民の声を聞かせてほしい」と話していた。将来的な一般公開に向けて休憩所やトイレ、周辺などの整備とその後の運営管理、観光振興にどう活かすかなどの検討課題がある。冊子の問い合わせは同財団(電話62・0577)。
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