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二人三脚歩んで40周年 舞鶴手話サークル「つたの会」 ろうあ者から学び 情報バリアフリー社会を目指す【舞鶴】

二人三脚歩んで40周年 舞鶴手話サークル「つたの会」 ろうあ者から学び 情報バリアフリー社会を目指す【舞鶴】

投稿日時:2015年09月25日(金)

40周年の式典であいさつをする竹内会長

 舞鶴手話サークル「つたの会」(竹内由美会長、会員80人)が、結成から40周年を迎えた。「聴覚障害者とともに歩む」ことを柱に、ろうあ者から手話を学び交流し生活を知り、その願いの実現に二人三脚で取り組んできた。手話を学ぶ人が増えてきているが、さらに情報のバリアフリー社会を目指すことを掲げている。このほど開かれた記念式典で、関係者たちが40周年を祝った。(青木信明)1973年に舞鶴市に専任の手話通訳者が配置されたのを機に手話教室が開かれ、修了者たちが中心になって75年8月に「つたのように伝え合う心がのびのびと広がる」ことを願って、「つたの会」を結成し、13人でスタートした。ろうあ者との交流を大切にし、旅行や運動会などを楽しみ、毎年開催される手話劇コンクールにも両者が役者や裏方などを務め出演している。今年は11月15日に舞鶴市で開かれる。要望を知ってその実現のための運動も一緒に進めた。綾部市内に総合福祉施設「いこいの村」の建設に向け、募金活動などを行ない、82年に重度障害者授産施設「栗の木寮」が誕生した。舞鶴市では地域の拠点として聴覚言語障害者支援センターが開設された。この40年間に応用や実践講座を終え試験に合格した手話通訳者が31人生まれ、会合や病院、学校などに同行して通訳支援をしている。こうした長年の活動が評価され、2010年秋に緑綬褒章を受けた。一方、この10年間でサークルの発展に尽くした、ろうあ運動の先頭に立ってきた高倉正二さん、つたの会元会長の中西美智子さん、難聴者協会舞鶴支部の濱元俊吉さんを相次いで亡くした。円満寺の舞鶴グランドホテルで開かれた記念式典には約80人が出席。竹内会長が「かけがえのない大先輩を失ったが、3人の活動を学び遺志を受け継ぎ活動に活かしていきたい。いまの社会は音声情報中心の社会で、聴覚障害者には十分な情報は届かない。真の完全参加と平等の社会を目指し、今後も聴覚障害者の皆さんと手を携えていきたい」とあいさつした。結成時から会員の廣瀬博子さんは「当初は手話という言葉も知らなかったですが、自分を必要な存在にしてもらえ、生活の一部になりました。いまではインターネットでも手話が学べる時代になりましたが、商店や病院などで不自由なく手話が一般化しているわけではありません」と話し、これからも手話の輪を広げていく。

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