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伝統工芸の美 走ってPR 京都交通 高速バスに丹波漆 11月から導入 首都圏で府北部の魅力を発信【舞鶴】

伝統工芸の美 走ってPR 京都交通 高速バスに丹波漆 11月から導入 首都圏で府北部の魅力を発信【舞鶴】

投稿日時:2015年10月27日(火)

車体に漆を使ったバスのイメージ図(同社提供)

 舞鶴などをエリアにバスを運行する京都交通は、東京までの高速夜行バスの外装に丹波漆を採用し、11月中旬から導入する。漆をバス外装に使うのは日本では初の試み。車体には丹後ちりめんの着物をイメージした花柄のデザインも使い、首都圏で府北部の魅力をアピールし、誘客につなげたいとする。(青木信明)舞鶴、綾部、福知山、亀岡を経由し東京浜松町品川を結ぶ新型バス「シルフィールド号」に導入する。「海の京都」にちなんで車体は濃い青色をベースに、丹後ちりめんの振袖をイメージした花の図柄がデザインされる。外装を一新したのに合わせ、車内も最上級の座席を導入し、ゆったり座れるよう28席にした。良質な漆とされる丹波漆だが、職人と需要が減っているのを知った同社が、バスを使ってその魅力を伝えようとアイデアを温め、NPO法人丹波漆と協力して取り組んだ。今回は2年前に福知山市夜久野町で採取し熟成させた漆1キロを、車体前方のJ型のカーブ模様と後部の一部に使う。精製した漆に朱の顔料を混ぜた朱漆を塗り、その上に半透明の透(すき)漆を塗り重ねた「朱溜塗(しゅだめぬり)」の技法で、重厚な色合いと透明感を出す。また、漆で貼り付けた金箔の上に透漆を塗り重ねた「白檀塗(びゃくだんぬり」」の技法も用い、立体感を出す。外装に漆を使う場合の最大の弱点は紫外線。この課題を克服するため、京都市産業技術総合研究所が開発した漆の新しい精製法を使い、京都市の漆販売業者が独自の方法で漆の耐久性を高めた。総事業費は約5,000万円。同社舞鶴営業所の山守貞之所長(39)は「長い歴史を持つすばらしい丹波漆をもっと多くの人に知ってもらうため、バスで何かできないかと思った。乗ってみたくなるバスとなり、地域が元気になることにつながれば」と話していた。

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