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中筋の名水 大切に守ろう 市民グループ「真名井の清水」冊子作る 水利用、歴史などを子どもたちに【舞鶴】

中筋の名水 大切に守ろう 市民グループ「真名井の清水」冊子作る 水利用、歴史などを子どもたちに【舞鶴】

投稿日時:2015年10月30日(金)

冊子を手にする坂根さん、志水さん、嵯峨根さん(左から)

 舞鶴・中筋地区でいまも地下から汲み上げ生活用水として利用されている真名井(まない)の清水について調べた冊子が、市民たちの手で完成した。10年前から水温などを定期的に観測し、湧水地の詳細や言い伝え、伊佐津川の瀬替えなどの歴史などをまとめた。地域の名水を大切に守っていくきっかけになればとする。(青木信明)城南会館のオープンに合わせ、事業を立案する運営委員で郷土史に詳しい嵯峨根一正さん(74)=真倉=が、平成の名水百選にもなった真名井の清水をもっと知る取り組みを提案し、2005年に坂根康弘さん(76)=真倉=、志水進さん(80)=伊佐津=ら4人で「真名井の清水を知る会」を結成した。当初は月1度、7カ所の湧水池で水温などを観測し、2年間続けた。その後、湧水池のできた時期、伊佐津川の瀬替えなどに話題が及び、メンバーで様々な説を出し合い、その成果をまとめようと、原稿を分担して1年以上かけて仕上げた。冊子「真名井の清水」はA4版、58ページ。7カ所の湧水地点を調べ、米の種もみを発芽させるため浸水させておいた「種池」、真名井の泉と呼ばれる「一升」などの利用法や現況を紹介する。「真名井」の言葉の由来を探り、「古事記」に登場する「神々によって掘られた井」で儀式に用いる特別な水が湧くところと指摘し、各地の真名井の地名を列挙した。紙漉きや藍染に利用されたことなど、古老から聞き取った生活との関わりも記録した。また、真倉川と池内川を合流させ、いまの伊佐津川につくりかえた瀬替え以前の2つの川の流路を推測。地形図から等高線を読み取った坂根説、地域に残る「深田」など川を連想させる地名から流路を考えた志水説を書いた。江戸時代に真名井の清水を田辺城の上水に用いるため引き込んだ「御水道」を当時の人たちが大切に守っていたことも記した。坂根さんは「歴史を考え話し合うのは楽しかった。村人たちが水を守る努力をしてきたことを、いまの住民たちに知ってほしい。特に子供たちに歴史や保存に関心を持ってもらえる一冊になれば」、嵯峨根さんは「府道沿いの池を真名井の泉と思っている人が多いが、上流に湧く所が泉であることを伝えたかった。平成の名水にふさわしい泉になるよう願っています」、志水さんは「泉の周辺には住宅が増えているが、いつまでも中筋の美しい水環境を残してほしい」と話している。府などの助成を受け100部作り、一部は小学校などに配布した。問い合わせは坂根さん(電話75・3119)、志水さん(電話76・0164)。

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