多彩な人と企画 賑やかに広がる いさざ会館 オープン1周年 利用者、催し、応援の市民増え 4月17日に記念イベント【舞鶴】
投稿日時:2016年04月12日(火)
子供と地域をつなぐ場として生まれた引土のいさざ会館が、4月で1年を迎えた。元中学校教員の浦岡雄介さん(34)が、管理運営を担う住み込み用務員になって開設した。次第に近隣の人から応援の声を掛けられ、会館の利用者も増えるなど、自らも楽しみながらつながりが広がっているのを実感している。4月17日午前10時から1周年の記念イベントを開く。(青木信明)中学校の支援学級を担当する美術教師だった浦岡さんは、障害のある子供たちにとって暮しやすい地域にするには、どうすればいいか考えるようになり、大人たちに子供たちの存在をもっと知ってもらい、自分の地域に興味を持つ大人たちを増やしたいと思った。空き家だった旧マナイ会館を借り、アートの手法を使って「子供と地域をつなげる」をテーマに、昨年学校を退職して町の中に飛び出し、活動を始めることにした。市内でアート活動をしてきた団体「torindo(トリンド)」の実践を土台にしながら手探りでスタート。子供や大人を対象にした造形教室、市民の文化活動の発表の場、地域の歴史の発信、全国で活躍するアーティストを招いてのワークショップ、学校に行きにくい子供たちの居場所づくりなど、1年間で約60の催しを行った。造形教室では小学生から「うらちゃん」と呼ばれ、学校が苦手な子もここで伸び伸びと個性を発揮し、友達を作っている。ミシンを持って全国を旅する行橋智彦さんが講師だった際は、その土地の草木で染めた服づくりを市民と楽しんだ。最近では、心身の障害や病気で悩む人への理解を深めるための講座、地域の喫茶店めぐりと新聞づくりなど、浦岡さんはユニークで多彩な自主企画を試みている。貸しスペースとしての利用も増えている。市民たちが自慢のLPレコードを持ち寄って聴くLPナイトや、民生児童委員らが中高年の交流の機会にするサロンを開いた。市民がブラジル在住の記録映像作家の岡村淳さんを招いたドキュメンタリー映画上映会には、京都市内からも来場者があり、飄々とした岡村さんと集まった人たちとの思わぬ出会いの場になり、再上映のリクエストが相次いだ。地域とつなげるために、まず自分から地域に溶け込む地道な努力を続けた。町内会の集まりに参加し、組長にもなった。企画のチラシを近所に配り歩いて、積極的にコミュニケーションをとるようにしている。隣の人が会館に来てくれるまでに半年かかったが、いまでは商店街を歩くと気さくに声をかけてもらい、ふらっと会館に立ち寄ってくれるお年寄りもできた。浦岡さんは「会館を知ってくれる人、応援やアドバイスをくれる人も増え、いいつながりができてきたと手ごたえがあります。ようやく自分の中に筋が1本通った活動が出来るようになった。でも地域の人たちに宣伝する難しさも感じています。まだまだこれから」と話している。記念イベントは午前10時から。鹿原のみずなぎ鹿原学園の製品販売、小倉の障害者福祉施設「ほっこり」のべんがら染めワークショップなどがある。午後1時からは、9月18日~24日に開く西舞鶴国際アートフェスティバルのキックオフイベントとして、京都文京大学地域協働研究センター専任研究員の滋野浩毅さんを進行役にしたシンポジウム、現代美術講座、同2時から上漆原で自給自足を目指すミュージシャンのシャバジーらのライブ、同5時半からゲストを迎えてのトーク。入場無料。【問い合わせ】電話60・8295、同会館。
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