歴史上初 京都府議会舞鶴で開催−800人以上が傍聴 西高生徒も
投稿日時:2016年09月20日(火)
浜の舞鶴市総合文化会館で14日と15日の2日間、京都府議会は9月定例会本会議を開いた。舞鶴市や近隣市町村の住民や支援者らが集まり、約830人が傍聴に訪れた。1905年(明治38年)に議場が京都府庁旧本館内に設置されて以降は、府庁以外での本会議は開催されておらず、京都市外で本会議を開催するのは137年の歴史で初の試み。普段、府議会を傍聴しにくい京都府北部の府民に、議論を聞くことで議会を身近に感じてもらう「開かれた府議会」に向けた取り組みの一環。また災害時に議会棟が被災して使えなくなった場合に備えた訓練も兼ねている。午後1時、同館の舞台に設けられた席に山田啓二知事らが座ると、トップバッターとして舞鶴市選出の池田正義府議が代表質問を行った。来年選挙権を持つ生徒もいる西舞鶴高校の2年生275人も議会を傍聴。塩尻滉一郎さん(17)は「(有権者になることから)選挙にも活かせると思い、聞いていたが(内容が)難しかった。授業に来てもらうなど客観的にわかりやすく話してくれる場を作ってほしい」と語った。平尚之さん(17)は「卒業後は市外への進学を希望しています。地元へ戻る選択肢は考えたいが就職できるのかが不安です。そういった部分が良くなるのであれば考えたいが・・・」
と悩みを語った。小林美香(はるか)さん(17)は「難しいところもあったが自分の将来のためと思い聞いた。舞鶴港や新幹線の話に興味を持ちました。そこが整備されると府北部に全国からたくさんの人が訪れるようになる。こういった一つひとつのことに意見を出せるように、選挙について真剣に考えたい」と話した。
【池田正義(自民)】
日本海側の港湾や鉄道整備を推進し日本海側と太平洋側を結ぶネットワークを形成、連携強化を行うことで人口減少対策などを推進することが重要。
舞鶴港は関西貿易港として、京都北部地域の総合ゲートウェイとして一大物流拠点を形成し京都縦貫道の開通による陸上輸送の優位性を活かし、機能をいかんなく発揮することで地域産業の振興につながることを期待している。京都北部地域の振興に舞鶴港の果たす役割をどう思われるか。
また北陸新幹線誘致について将来の山陰新幹線整備、北陸新幹線京都北部ルートの実現を知事としてどう考えられているか。
【山田啓二知事】
今年7月から、外部有識者による「新しい行政組織の未来研究会」で一部移転をテーマに意見を聞いてきた。今月7日の研究会では、府内港湾関係の部署は主に舞鶴港を中心とした業務をしているため、優先的に現地移転を検討すべきだとの意見がまとめられた。これを踏まえて、舞鶴港に関係する業務をしている組織の移転の検討を優先的に行っていきたい。どの部署を移転対象とするのかなど、年内に具体案をまとめる方針。
北陸新幹線の誘致について、日本の将来性を見込むのか、コストや効率の問題としてとらえるのか。京都北部ルートはコスト面からみると、距離が長くなる分、たしかに厳しいが、日本の未来を作り上げていくという思いで、訴えを強めていきたい。
【小原舞(民進)】
本会議の北部開催の意義と防災対策について伺いたい。
また女性の活躍できる社会について、日本の女性活用度指数は145ヵ国中101位と先進国では最低レベル。日本政府は2020年までに女性の管理職を30%にするとしている。現状、係長級16.2%、課長級8.3%というデータが出ている中、京都府では女性の雇用についてどう考えているか。
「男は仕事、女は家庭」という固定観念が残っている中、出産を機に離職をする女性が6割となっている。誰もが働き方を選べる時代になるべき。そのためには長時間労働の削減、ワークライフバランス、育児休暇を推進することが必要になってくる。知事の見解はどうか。
また介護について晩婚化、晩産化により育児をしながら親の介護も行う「ダブルケア」が問題となっている。約25万人が直面する中、女性は17万人と女性に負担がかかっている。
子育て支援や介護支援の観点から考える必要性があり、対応すべき取組みは。
【山田啓二知事】
北部開催を行うことにより府政と府民の距離を縮めたい。大規模災害時に行政機能が停滞しないようにする訓練の意味もある。今回の教訓も踏まえ、災害時に府庁のバックアップ体制を広域的に強化していく。
府では女性職員の雇用は重点的に行っている。今年度の女性管理職は過去最高の13%まで上がっている。男性も女性も働きやすい環境づくりに取り組んでいきたい。行政や経済団体など「オール京都」体制で女性が活躍できる社会をつくるため、ワークライフバランスセンターを中心に京都ウィメンズベース事業を推進し、長時間労働の削減やキャリア支援などの人材育成も行っている。
介護については介護ケアプランの中に子育ての負担配慮があるかが重要。ケアマネージメント研修を行うほか、地域包括支援センターや子育て支援団体との協働運営で情報共有や相談をワンストップでできるように取り組んでいる。引き続き実態把握などを調査し具体的な取り組みを検討していく。
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