聴覚言語障害者支援センター 10年の歩み 連携効果で利用手軽に 地域活動支援センター「つるの会」と併設 利用者「私たちの大切な拠点」 進む高齢化へ対応策探る【舞鶴】
投稿日時:2011年11月22日(火)
耳の不自由な人たちのコミュニケーション支援や相談事業などの拠点となっている余部上の舞鶴市聴覚言語障害者支援(聴言)センターが、設立から10周年を迎えた。様々な講座を実施する舞鶴市聴覚言語障害者地域活動支援センター「つるの会」を併設することで、聴言センターの利用がしやすくなり、児童デイサービスに協力するなど活動を広げている。10年の歩みを振り返り、今後の課題を聞いた。 (青木信明)
舞鶴市の事業委託を受け、社会福祉法人・京都聴覚言語障害者福祉協会が、ろうあ者や中途失聴者、難聴者たちを対象にした両センターを運営する。2001年開設の聴言センターは手話通訳や要約筆記の派遣と養成▽生活・福祉相談▽きこえの相談などを行う。平成22年度は生活相談が延べ1362件、手話・要約筆記などの派遣が延べ985件。03年スタートのつるの会は、生活や健康講座▽調理実習▽創作教室▽手話学習などを実施。利用契約者は46人でほとんどが65歳以上。聴覚障害の身体障害者手帳所持者は市内に581人いることから、利用の掘り起こしの余地を残す。手帳を持っていなくても利用できる。両センターの連携が効果を発揮している。つるの会に来た未就学利用者が学習会での仲間との会話をきっかけに、聴言センターに通院の通訳依頼をしたり、これまで市民健診の郵便通知が届いても意味が分からず放っておいたが、つるの会の利用のついでに通知を持参して同センターで相談して帰る例もあった。 聴覚障害の子供たちの夏休みや冬休みを過ごす場をつくろうと、ボランティアグループ「舞鶴聴覚障害児支援ネットワーク」が行う「でこぼこクラブ」の運営に、聴言センターも協力する新しい取り組みも始めた。ネットワーク代表の内藤道子さんは「子供たちに同じ障害を持つ大人たちと交流することで、聴こえなくても大丈夫と自信をもってほしい」と活動の狙いを語る。このほど開かれた聴言センター10周年の集いで、利用する難聴者の西川澄子さんは「2つのセンターが併設されているので一度の訪問で用事がすむ。仲間との交流や学ぶこともでき、自分に誇りを持つことができるようになった」とその意義を発表した。聴言センター管理者の木村公之さんは「高齢化する利用者を地域で支えるため、ヘルパーや訪問リハビリの事業所に手話と要約筆記講座への受講を呼びかけるなど、様々な社会資源との結びつきを強めたり、グループホームといった新たな施設づくりなども課題」と今後を見据える。様々な教室の成果を発表するつるの会の文化祭では、利用者たちの笑顔が印象的だ。聴こえないことで社会から孤立しがちだったが、「センターに来ることで安心できる」と誰もが語る。聴覚障害は特別なものではなく、高齢化によって誰にでも起きること。センターの利用をいかに働きかけるかのみならず、地域の中で普通に手話や要約筆記のコミュニケーション支援が行われることも望まれている。両センターの果たす役割は多きい。
【問い合わせ】電話64・3911、FAX64・3912、聴言センター
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