海の京都で味わう森の恵み-京都丹波ジビエフェア2017冬 開催中-
投稿日時:2017年02月10日(金)
各地で有害鳥獣による農作物への被害等が深刻となっている。2016年、舞鶴市を含む中丹地域ではクマを中心に有害鳥獣出没件数が急増、福知山市で自宅敷地内にて住民がクマに襲われ重傷を負う事件や、舞鶴市では西舞鶴市街地にある店舗のガラス戸を突き破り、イノシシが侵入するなどの被害が確認されている。京都府によると、農作物被害額は、2008年度の被害額7億4000万円、2015年度の被害額が3億5000万円と数字的には着実に減っているが、近年有害鳥獣が人間の生活圏に入ってくる危険度が高まり、数字以上の被害を受けているように感じる部分がある。農家の高齢化、防除対策への体力的負担増などが叫ばれる中、有害鳥獣対策が急務となっている。京都府では有害鳥獣との共生を目指す中で、人命第一で捕獲を強化。またそれらを利用できる環境としてジビエを推進している。「森の京都」エリアの中丹地域で捕れた、森の恵みである良質なジビエを生かす取組みとして、「京都丹波ジビエフェア2017冬」が2月26日まで開催されている。「中丹地域では美味しいジビエ料理が食べられる」という地域イメージのもとに開催し好評だった夏・秋開催に引き続き、今季は「いつでも食べられるジビエ」も目指し、舞鶴市10店舗、福知山市12店舗、綾部市7店舗の計29店舗が出店。期間中は、狩猟期本番を迎えた山々で捕れたシカやイノシシの肉を、各店がそれぞれ工夫を凝らした和食、フレンチ、イタリアン、焼肉など、様々なジャンルのジビエ料理を楽しむことができる。
~海と山の魅力が詰まった特別な空間~
千歳の親海公園内にある「ベイサイドプレイスM’s deli(エムズデリ)」で提供されるメニューは、「鹿モモのタリアータ ベリーソース」(1,580円)。捕獲直後の血抜き処理など、最初の処理が適切かどうかで美味しい肉になるか左右されるジビエ。こだわりの仕入れ先の良質なシカ肉は臭みもなく、ジビエ料理の概念が覆されるだろう。店長の小西和平さん(40)は焼きの温度にもこだわる。火を入れ過ぎるとパサついてしまうシカ肉を絶妙の温度で仕上げる。そこに甘酸っぱいベリーソースが加わることで肉の旨みを最大限に引き出す一品。海が目の前に広がるレストランでジビエ。海と山の魅力が詰まった特別な空間でスローな時間を過ごしてみてはどうだろうか。
~鹿肉に超濃厚デミソースがからむ~
引土のカフェレストラン フォレストでは、ジビエ鹿シチュー(1,280円)を提供している。オーナーの小谷栄治さん(61)が10日間に渡り香味野菜と一緒に肉を煮込んだ“超濃厚デミグラスソース”は絶品。鹿肉はソースに合う部位を選び、ゼラチン質が多い鹿のすね肉にこだわる。ごってりとした超濃厚ソースは口に入れると、濃く・コク・こく。その重厚さに思わず驚いてしまう。鹿肉の風味もしっかり付いておりソースとの相性も抜群。最後の一滴まで味わいたくなる。今まで食べてきたデミグラスソースとは一線を画す。野生味あふれるジビエ肉の旨みを最大限まで引き出した贅沢な一品。一度は口へ運びたいメニューだ。
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