白樺日誌 状態調査 世界記憶遺産 次世代への継承
投稿日時:2017年02月24日(金)
舞鶴引揚記念館でユネスコ世界記憶遺産登録資料の代表的な資料の1つである「白樺日誌」の状態資料調査が行われた。戦後70年が過ぎ資料の経年劣化が進んでいる中、同館は570点の資料を対象に適切な保存処理や修復、保存環境改善などを実施。(公財)元興寺文化財研究所(奈良県奈良市)に調査を委託し1月15日から18日までに第1回調査が行われ、315点の資料について形態、材質等の基本情報や劣化の状態について調査された。第2回調査として14日から17日までに残り255点の調査が行われた。調査では、白樺の皮を1枚1枚分け、寸法やカールの度合いの計測、撮影、無死や汚れ、亀裂による劣化の状態が調査された。紙修復や資料保存専門家である同研究所の金山正子総括研究員は「状態は比較的安定しています」とした上で「白樺日誌は自然の素材なので、多乾燥を起因とする収縮による亀裂や、こすれやめくれなどが予想されるのでしっかりチェックしていきたい」と語る。今回の調査結果をもとに、保存処理や保管方法の改善計画が策定される。同館の山下美晴館長は「資料の活用と保存という大きな2つの柱の中で保存という意味での状態調査は今回が初めて、貴重な資料を次の世代へ継承していくために今回の調査を踏まえて適切な保存処置などを検討していきたい」と語った。
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