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民の力が、未来をひらく  京都北都信用金庫が取り組む地方創生

民の力が、未来をひらく  京都北都信用金庫が取り組む地方創生

投稿日時:2017年03月10日(金)

京都北都信用金庫(森屋松吉理事長)が、独自の地方創生に取り組んでいる。信用金庫の特性と連携力を武器にした具体的な施策に、いま熱い注目が集まっている。同金庫では、平成27年4月からの10年間を見据えた「10ヵ年長期経営計画」を策定し、「地域活性化の実現とほくとしんきんブランドの確立」のビジョンの下、様々な取組みを積極的に展開している。近年、当地を含んだ府北部地域は顕著な人口減少が進んでおり、経済規模も年々縮小を余儀なくされている。そんな中平成27年10月より、各市町が進める地方創生をさらに後押しするとともに、取引先企業の経営課題解決を支援する「地域創生事業部」を新たに設置し、地域活性化に向けた取組みに対応する体制を整備した。同事業部部長の足立渉さん(51)は、「地域を元気にしていくことがまず求められている。我々の商売よりも、お客様の商売を発展させることが大事。地域経済が縮小するならば、我々も努力し地域経済の拡大に積極的に寄与していきたい」と思いを述べる。昨年12月2日には、舞鶴市との連携協定を締結した。その一環として2日には、舞鶴市商工観光センターにて、シニア人材経営支援マッチング会を実施。この取組みは、人材育成や販路開拓などの経営課題を抱える市内の中小企業と、大手企業を退職した実務経験者とのマッチングを目的に開催された。当日は市内の企業16社が参加し、主に京阪神から訪れた60歳から70歳代前半のシニア人材約30人が、経営課題の解決に向けて話し合った。飛躍を目指す市内の事業者が人材不足に頭を悩ませている中、これまでにない知恵の掘り起しができる場として、今後の展開が期待される。

交流人口の増加を目指して経済効果1億円の実績

 府北部地域において、人口減少が今後も避けられない中、地域活性化の突破口として、同金庫独自の交流人口の増加に向けた取り組みが実施されている。国内には、264の信用金庫が存在し、それぞれの金庫で年金受給者を対象にした「年金旅行」が開催されている。そこに目をつけた同金庫は、舞鶴市を含む丹後地域の観光パンフレットを作成し、旅行誘致に注力している。取り組みの効果は徐々に表れてきており、今年度は過去最大の2800人が訪れ、1億円の経済効果を見込んでいる。1月18日から3月13日には、京都信用金庫が毎年行っている「名湯の旅」に採用され、当地にも延べ1600人の観光客が訪れている。今後は、「海の京都DMO」による観光ルートを全国264の信用金庫に案内する予定であり、DMOと連携し、信用金庫年金旅行担当者向け「ファムツアー(下見招待旅行)」の開催を検討しているという。民間の積極的な連携が、これまでになかった需要を掘り起こしている。ないことを嘆くのではなく、あるものを最大限に活用し、活路を見出す。同金庫の取組みの中に、地方都市の挑戦における大きな勝機の光を見た。

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