みんな集まれ おもしろ大学校開校
投稿日時:2017年05月16日(火)
4月で2年目をむかえた引土の「いさざ会館」がこのほど2周年企画として「ご近所大学」を開校しオープンキャンパスを開いた。同企画は地元に住む誰もが先生となり生徒となって交流しながら「面白いことを一緒に楽しく学ぶ」ことを目指し年間を通して企画や催しが開かれる。「美術科特任教授」と称して美術家の新井厚子さんが招かれ、湿した和紙を当てた上に墨を擦りつける、伝統的な器物複写法である「拓本」を通して、舞鶴各所を手触りでとらえる企画「拓本GO!」が開かれた。参加者は、新井さんの教えのもと、地元を新鮮なまなざしで見つめ直した。また、「国際観光科」では世界24か国を旅し、現在も精力的に海外へ出かける橋本栄治さんが「インドで出会った階段井戸」と題し、水を崇める儀礼の場でもあったインドならではの水利施設について解説した。深さ30メートル、13層にわたる3500段もの階段が印象深い幾何学模様をなす、ラジャスターン州ジャイプール近郊のチャンド・バオリや、イスラムとヒンドゥーの様式が混在する特異な意匠と建設にまつわるルダ・バイ王妃の哀しい伝説を現在に残す、グジャラート州アーメダバード近郊のアダラジ・ヴァヴなど、各地に点在する史跡の荘厳な美しさと、一方で管理が行き届かず荒廃の一途を辿っている現状の寂しさを、橋本さんは実際の旅の写真を多数交えて熱く語った。参加した大石裕子さんは「生活の中にこうした集まれる空間があるのは嬉しい。普段と違う人たちと会話ができるのが魅力」と話す。同館の管理運営を担う浦岡雄介さんは2年を振り返り「多くの人が集まり、繋がりは広がりを見せています。今後いさざ会館を中心としてさらなる交流の場を見せていけたらと思います」と語った。「ご近所大学」は現在講座や企画を募集している。
問い合わせ:いさざ会館 TEL:0773-60-8295
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