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「杉山わさび」復活の狼煙 名水が育む特産品に期待

「杉山わさび」復活の狼煙 名水が育む特産品に期待

投稿日時:2017年06月06日(火)

 オープン1年半を迎える杉山地区の農産品加工場兼農村レストラン「名水杉山菜房」が新しい看板メニュー「わさび菜寿司」を完成させて5月27日から提供している。平成の名水百選に選ばれた「大杉の清水」で育てた米を合わせ酢で酢飯にし、「杉山わさび」と「舞鶴かまぼこ」を「わさび菜」で包んだ。杉山では「大杉の清水」水源地に昔から自生していた。集落ではわさび田を整備し栽培を行っていた。根が25cm、太さ3cmほどに成長し極めて大きいと評判になり、昭和20年から30年代には京都や大阪の料亭や東京築地市場へ出荷されていた。しかし、連作や気候の変化で昭和40年代以降から収穫量が激減し出荷が不可能となった。杉山地区では「杉山わさび」を復活させようと、わさび田の整備や他産地のわさびを導入するなど、復活に向けて長年取り組んできた。現在、根が成長するものはわずかだが、わさび菜は最盛期と変わらないほどの量が収穫できるようになり、商品化へ踏み出した。漬け込んだわさび菜を一枚一枚丁寧に広げると、鮮やかな緑が輝く。わさび菜を漬け込むときに鮮やかな緑を出すために微妙な塩加減で漬けている。漬け込みを担当する中村豊さんは「企業秘密です」と笑顔で話す。ふっくらと炊き上がった杉山の米を酢飯にし、おろしたてのわさびを付け、かまぼこを乗せて1つ1つわさび菜で巻いていく。丁寧に巻かないとわさび菜を傷つけてしまい、手間暇がかかる。3日は開店と同時に来店客が訪れ、正午にはほぼ満席となり大反響だった。福知山から訪れた垣尾さん夫婦は「わさび菜がシャキシャキして歯ごたえがいい。思ったほど辛くなく、風味がとても良いです。高菜巻きとも違う味わい。何よりお米がすごく美味しい」と舌鼓を打った。また、店内のカウンターからは東舞鶴湾を見下ろせ、訪れた人に一服の清涼感をもたらしている。菜房を運営するNPO名水の里杉山の松岡良啓理事長は「思ったより多くの人に来て頂き驚いています。多くの人に杉山の味を味わって欲しい。杉山わさびを守っているということも知って欲しいです」と話した。「わさび菜寿司」は8月いっぱいくらいまで販売(わさび菜が無くなり次第終了)。「わさび菜と冷やし名水米粉うどん」セット800円。「わさび菜寿司弁当」1000円。単体1つ150円。お土産用もあり。毎回20食は提供可能。
「名水杉山菜房」は土、日、祝、祭日の営業午前11時から午後3時まで。
[お問い合わせ]090-1076-0267 松岡さん。
(井上 務)

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