闇夜に揺れる 虫送り
投稿日時:2017年07月11日(火)
稲の害虫を松明の火で燃やし豊作を祈願する多門院地区の伝統行事「稲の虫送り」が1日に行われた。大人と子どもが松明を手に一緒にねり歩き、同地区に昔ながらの伝統風景がよみがえった。同行事は江戸時代に広まったとされ、農薬が普及するまでは、除虫手段として全国各地で見られた。同地区では昭和28年の13号台風の被害で途絶えていたが、地区の老人会が平成24年に復活させ、今年で5回目となる。午後七時、直前まで降っていた雨は止んだ。祖母谷消防団6人が見守るなか、集合した黒部地区の大人と子どもは手にした松明に火を灯した。大人用の大松明は長さ2.5~3mで10キロほどになる。火が灯ると先頭者の鉦(かね)を叩く音に合わせて独特の掛け声をあげながらねり歩く。「い~ねのむ~し、お~くろや。ひょうたんたたいて、お~きの島までお~くろや」黒部から材木、荒倉、桑飼とおよそ3キロの行程。途中各地区で子どもらが合流しながらねり歩く。闇夜に鉦の音が響き渡り、およそ40本ほどの松明が揺れる。多門院橋に着くと、松明を集め納め火をして無事終了した。行事に参加した新谷港さん(6)は「夜にこの辺りを歩くことはないので、幻想的で楽しかった。伝統行事は1回1回していくことが大切だと思います。これからもずっとやっていきたい」と目を輝かせた。多門院長生会の新谷一幸会長(70)は「昔を思い出します。今年は大勢参加してくれて良かった。多くの方の支えがあり続けていけます。子どもが大人になったとき思い出して欲しい。今後も続けていき、子らの郷土愛を育んでいきたい」と思いを語った。
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