伝統の大会 新たに始動 ちびっ子ソフトボール大会
投稿日時:2017年08月04日(金)
昨年夏、45年の歴史に幕を閉じた市長旗チビッコソフトボール大会が有志の手により復活の狼煙を上げた。呼びかけに応じて市内各地から10チームが集まり、7月31日、中総合会館で組み合わせ抽選会に臨んだ。
舞鶴青年会議所と舞鶴市PTA連絡協議会による共催で行われていた同大会は、少子化などが原因で、チーム編成が困難になる校区が増えたことにより、昨年開催の大会を最後にその役目を終えた。だが一方で、大会の存続を願う声は多く、小学校単位での校区大会を継続する学校もあった。新舞鶴小学校区でチームの監督を続けてきた松岡正明さん(63)は、「半生をかけてきたとも言えるチビッコソフト。舞鶴大会がなくなることが決まった時は、心の中から灯りが消えたようだった」と当時の心境を振り返る。竜宮町に生まれ育った松岡さんは、進学と就職を経て、30歳を過ぎた頃に帰鶴した。地元チームの監督をして欲しいと頼まれたのは、それから間もない頃だった。学生時代にはラグビーに打ち込み、野球やソフトボールとは縁がなかった松岡さんは、最初は嫌々引き受けたという。だが、真剣に打ち込む子どもたちと接するにつれ、「嫌々やっていたのでは子どもたちに申し訳ない」と思うようになった。それからは、勉強の日々。慣れないノックも次第に様になるようになった。ある年には、不登校の児童がひと夏の経験を通じて、再び学校に通ってくれるようになった。すでに成人したその教え子とは、今では酒を酌み交わすこともあるという。「一緒に汗をかいて、一緒に笑って一緒に泣いて。指導するとはいうものの、子どもたちの姿を見て心が洗われ、自分自身が成長できた」
【地域の宝を育む大会を】
単なるスポーツ大会ではない。松岡さんと思いを共にする人たちが導かれるように集まり、短い準備期間で、運営計画を練り上げた。「これまでのように、準備や後片付けを主催者任せに出来る大会ではありません」抽選会の冒頭、舞鶴ちびっ子ソフトボール大会運営協議会の会長を務める松岡さんが呼びかけた。参加は10チーム。各チームから委員を輩出し、当日の運営をまかなうという。また、従来であれば抽選で一番くじを引いたチームが選手宣誓を担当する決まりだが、今回は選手の自主性を尊重し立候補とした。元気よく立候補した与保呂エレファント副将の坂井海斗くん(与保呂小6年)は、「チビッコソフトが出来るようになってうれしい。大きな声で元気に選手宣誓したい」と抱負を述べた。
「舞鶴の子供たちは、舞鶴の大人みんなで、健やかに育んでいきましょう」
壮大なスローガンを掲げた大会は、今月19日に幕を開ける。暑い夏の一日、それぞれの心に忘れられぬ思い出が刻まれることを願いたい。
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