「手」から描き出す「人の内面」
投稿日時:2017年11月10日(金)
西舞鶴高校美術部の大塚花夏(はな)さん(17)=3年=が、14日から19日まで大阪で開かれる「第37回近畿高等学校総合文化祭大阪大会 美術・工芸部門」(近畿大会)に京都府代表で絵画作品を出展する。大塚さんは「人そのもの」を表現するために大胆に「手」をモチーフに作品を発表。見事近畿大会への切符を手にした。幼少の頃から絵が大好きだった大塚さん。いつもチラシの裏に絵を描いており、描くものがないと家の壁に描くからと、家には多くのチラシが積んであったと昔の記憶をたどる。小学一年になると母に頼んで東地区の彩絵画教室(小坂けいしん代表)へ通うようになった。2週間に1度の教室では、高校生が油絵を描いており、その時に油絵に強くあこがれを持ったという。中学に進むと自然に“芸大“に進みたいと思うようになった。デッサン力と色彩表現を学ぶため、中学3年生からは美大の予備校である荒木美術研究所(福知山)へ通っている。「手」をモチーフにしたきっかけは高校1年●のときに出展した舞鶴市展。審査員に「写真を写しているだけだ」とアドバイスを受けたことがきっかけだった。大塚さんは「これまで油絵は写真のように描くものだと思っていた。でもそうではないと初めて知った」と振り返る。写実性だけでなく油絵でしかできない表現の追及。対象となる人がどんな人なのか、それをどう表現すればいいかを悩んだ結果、「人そのもの」が凝縮されている「手」に行き着いた。
昨年10月に「おにぎり」(50号)を発表。おにぎりを握る祖母の手を描いた。近畿大会の予選である「京都府高等学校文化連盟美術・工芸専門部」で優秀賞を受賞し、今年の近畿大会への出品が決まった。近畿大会へ出品するための新作は「月日」(50号)。福祉施設に入所している曾祖母の手を描いた。背景や動きのあった「おにぎり」に比べ、「手」のみがキャンバスに広がる。手のシミや深く刻み込まれた指のしわからは、曾祖母がたどって来た人生の経験や苦労が醸し出されており、強く心に訴えてくる。「手は人生の一部」と話す大塚さん。綺麗な手には興味がないとキッパリ。「その人の体験したことや苦労が現れている手が好き。今後もその人の性格が分かる手を描きたい」と話した。同部の吉田睦教諭は「近畿大会への出場は彼女のキャリアの1つになったと思う。今後も続けて美術を極めていって欲しい」と期待している。彩絵画展の小坂けいしん代表は「絵は男性的で力強く個性がある。足りない所もあるが、抜きんでていると思う」と評価している。「将来は絵本の絵をかきたい」と話す大塚さん。京都芸大を目指し、絵の勉強を続けている。制作に取り掛かる時は黙々と油絵に対峙し筆を運ぶ。「第37回近畿高等学校総合文化祭の美術・工芸部門」は14日から19日まで。大阪市立美術館で。大塚さんの作品「月日」は来年2月10日と11日の総合文化会館で行われる「西高EXPO」にも出品される。
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