古道が拓く 地域活性化の光 ~トレイルランに人集う
投稿日時:2018年05月25日(金)
三浜の旧丸山小を発着点にして、5日「みなと舞鶴とれとれトレイルランin大浦」が開催された。昨年に続き2回目の開催となる同大会は、市内の古道整備などに取り組む「舞鶴トレイル倶楽部」を中心に組織される実行委が実施。
市外からの参加も含めておよそ130人のスタッフが、全国から集まった参加者たちを迎えた。
今回は、33キロコースに加え42キロコースを新設。いずれも大浦半島の古道を巡る自然豊かなコースで、実行委員長の近藤剛さん(43)は、「海と山がどちらも楽しめるコース。全国探してもなかなかないと思う」と胸を張る。コースの魅力が少しずつ浸透し、33キロコースに至っては、参加は定員の200人に達した。300人を超えた参加者の安全を守り、それぞれが競技を超えて自然を満喫できるよう、スタッフの仕事は多忙を極める。コースで迷子にならないよう、数多くのポイントで道案内に立つスタッフ、帰ってきたランナーを温かい食事でもてなすスタッフ、救護に控えるスタッフなど、市内のみならず市外から大会運営のために駆け付けたスタッフらがそれぞれの持ち場で躍動した。近藤さんは、「人と人のつながりで運営できることがありがたい。多くの方のご協力に感謝し、大会を成長させていきたい」と充実感を漂わせた。さわやかな初夏の日差しと吹き抜ける海からの風を受け、参加者たちは大浦路を駆け抜けた。新設された42キロコースでは、昨年の覇者である西村広和さん(36)=滋賀県草津市= が優勝を決めた。消防署勤務の西村さんは、8年前から知人の勧めで競技を始めたという。6歳を筆頭に5人の子の父親。「帰ったら、家事育児が待っている。応援してくれる家内に土産が出来て良かった」と笑顔を見せた。33キロコースで見事3位に入賞した西舞鶴高3年の岡村浩生さん(17)は、所属する陸上部の顧問や部員らと一緒に初参加。途中足がつって苦しんでいる時、前後のランナーが助けてくれたという。「助けもあって完走できた。スポーツの素晴らしさを感じることが出来た」と話した。参加者と運営する人たちが一体になった雰囲気が、会場一帯を包んでいた。互いに走破を讃えあう姿、焼き魚やみそ汁に舌鼓を打つ姿、それぞれをねぎらう声。「古道をまちづくりの起爆剤に」と始まった挑戦は、大きな成果に結実した。それぞれの想いを胸に人が集う大会になった今、次なる飛躍が期待される。
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