「いのちを考える教室」 城南中で岩城さん講演
投稿日時:2018年07月10日(火)
犯罪被害者遺族の話を聞き、命の大切さを学ぶ「いのちを考える教室」が3日、城南中(堺谷正人校長)であった。大学生だった息子を犯罪で亡くした岩城順子さんが、1年生約140人の前で講演し、「皆さんには被害者にも加害者にもなって欲しくない」と訴えた。被害者遺族の話を聞くことで「命の大切さ」を考え、「自分や周囲を大切に思う気持ち」を育んでもらおうと同校で毎年開催している。今年で7回目。当時宮崎の大学に通っていた岩城さんの長男道暁(みちあき)さんは1996年3月、見知らぬ男から一方的な暴力を受け障害者となり、3年後に亡くなった。「家族の死を私は認められず、このままなくなってしまいたいと自分を責めた」と当時の気持ちを語った。また、犯罪被害者に対する支援制度の不備や、行政、知人から言われた言葉で傷ついたことなどを話した。岩城さんは「真剣に関心を持つ姿勢が、被害者遺族にとってありがたい支援になる。皆さんも落ち込んでいる人には寄り添って関心を持ってほしい。自分を大切に思うことが、他人を大切にすることにつながる。人の命とはどういうものか、今一度皆さんに考えてほしい」と訴えた。神田有咲さん(12)は「被害者の遺族の方にとっては、少しの言葉の違いで読み取り方が変わるのだと印象に残った。自分の大切な人が被害にあったらと考えると、そういった事件はなくなって欲しいと思う」と話した。岩城さんは「1年生にどれだけ話が通じるかは不安だったが、とても熱心に聞いてくれていた。20年以上たったいま、息子の死が意義ある死だったと思えるようになった」と話した。
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