藍綬褒章に藤原さん 保護司として長年尽力
投稿日時:2018年11月06日(火)
秋の褒章が発表され、府内からは15人が受章した。市内からは、保護司として長年公益に尽くした藤原正春さん(76)=白浜台=が藍綬褒章を受章した。
平成9年に知り合いから勧められたのをきっかけに保護司に。当時は仕事も現役で不安もあったが、説得もあり思い切って新しい世界に挑戦した。犯罪や非行で仮出所や保護観察処分を受けた少年らと定期的に面接を行い、更生を助けてきた。担当した少年を月2回、自宅で面接をする。約束の面接日に来なかったり、最初は口を利かない子も多い。こちらの質問に嘘と分かる返事をしても頭ごなしに否定せず、まずは信用して接してきた。何カ月か経つと次第に心を開き会話が続く。頑張って社会に復帰し、真面目に働いているのを見るとやりがいを感じるという。少年たちの抱える問題は様々だが「家庭環境の問題が根底にある」と藤原さん。「幼少の頃からの暴力や離婚、子どもへの無関心、貧困などが非行につながる。決して子どもだけが悪いのではない」と話す。「今まで保護司をしてきて、もうどうにもならない、という子はいなかった。心の芯から悪い子はいない。お互い信頼し合い、人生の目標を意識させることが更生へとつながってきた」と振り返る。平成19年から民生委員も4期務めている。保護司と民生委員の二足のわらじで頑張って来たが、定年を迎え、後続の者に託す考えだ。「子どもたちにとってどれだけのことが出来たのか分からないが、今までやってきて良かったと思う」と笑顔を見せた。
(井上 務)
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