幽斎・光秀に迫る~舞鶴地方史研究会がシリーズ講演
投稿日時:2019年07月09日(火)
舞鶴の歴史を研究する舞鶴地方史研究会が13日からシリーズ例会「幽斎!光秀を越えて」を始める。2020年大河ドラマ「麒麟がくる」に合わせたもので、主人公・明智光秀と、盟友・細川幽斎に焦点をあて講演。長きにわたり舞鶴の歴史研究を続けてきた4人の“知の巨人”たちが、戦国の世に生きた2人の武将や田辺城、家臣団などの実像に迫る。
シリーズ例会は11月まで全4回。第1回講演は13日午後2時から林業センター311会議室で行われる。第1弾は、郷土資料館・田辺城資料館の吉岡博之館長が『田辺城発掘総まくり』と題し講演。田辺城は天正8年(1580)に丹後に入国した細川藤孝(幽斎)・忠興父子によって19年(1591)頃には完成していたといわれる。その後、城主となった京極氏や牧野家によって修繕や拡張が行われた。昭和55年に舞鶴公園内の整備の際に石垣が発見されたことをきっかけに、翌年、明倫小の改築と合わせて第一次発掘調査を開始。その後、宅地開発事業などに合わせて随時調査された。昨年の第31次発掘調査まで様々な発見があり、田辺城の実像が徐々に明らかになってきた。吉岡さんは第1次発掘調査から20次までを担当し第一線で活躍。発掘調査の最前線で舞鶴の新たな歴史が発見されるのを目の当たりにしてきた。講演では、これまでの発掘の成果を総まとめとして発表。明らかになってきた当時の町割りを、現代の町割りに反映して町構造の移り変わりをさぐったり、吉岡さんが感じた発掘時の話などもある。
第2回は9月21日午後2時から西公民館201会議室で行われる。同研究会の加藤晃会長が『多士済々 綺羅星のごとく幽斎を支えた細川家の家臣など』と題し講演する。戦国武将であり当代一の文化人でもあった幽斎には多くの有能な人材が集まった。その中には舞鶴にいた者も含まれる。下剋上が是とされ、熾烈を極めた戦国の世で細川家の家臣団がどうやって構成されていったのか—。家臣たちの実像から幽斎という人間に迫る。
第3回は10月22日午後2時から。会場未定。会員で郷土資料館の学芸員である小室智子氏が『舞鶴の中の幽斎~顕彰の跡をたどる~』と題し講演する。
第4回は11月16日。会場未定。会員で東舞鶴高校歴史教諭の廣瀬邦彦氏が『吉田兼見[かねみ]と光秀・藤孝~「兼見卿記[かねみきょうき]」から~』と題し講演する。
大河ドラマで細川家にも注目が集まるなか、舞鶴と深く関わる幽斎について知る絶好の機会になりそうだ。
(井上 務)
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