レベルの高い作品 来場者魅了~舞鶴市障害者文化作品展
投稿日時:2019年11月12日(火)
創作活動の成果を発表することで障害を持つ人らの力や技術を広く知ってもらい、障害者福祉への理解を深めてもらうことを目的としている「舞鶴市障害者文化作品展」が2日、3日の両日、総合文化会館小ホールで開催された。陶芸や書、絵画や生け花など約350点が展示され、訪れた人を魅了した。
毎年開催されている同作品展は今年で38回目。展示会には市身体障害者福祉センターの利用者や、福祉施設利用者らの優れた作品が並び両日合わせて500人以上が鑑賞に訪れた。会場では温かみのある陶芸品を感心した様子で見る女性の姿があった。「作品の質の高さに驚くばかりです。皆さん本当に上手なので」と作品の高さに目線をあわせたままの姿勢で女性は微笑んだ。力強く、流れるような書道作品や大きく華やかな生け花、秋を感じさせる壮大な絵画は来場者を圧倒し、ちぎり絵、押し花を利用した絵などはどれも繊細で優しく、見る人の目を引き付けていた。今回初めて訪れたという男性は「じっくりと見せてもらったが高い技術を持った方ばかりで、正直驚いた」と笑顔を弾けさせた。山野草が並ぶコーナーは素朴な雰囲気に包まれていた。身障センターで講師を務める山本高雄さん、ふじ子さん夫婦によると、自然体で表現する山野草は興味を持ってもらいやすいという。「型にはまらず、家の周りや散歩中に見られる風景を路傍の草木で表現するところに親しみが湧くのだと思います」と話し「多々見市長がご覧になり、心が落ち着きますね。と言ってもらいました」と嬉しそうだった。初日に会場を訪れた多々見良三舞鶴市長は、約1時間にわたってすべての作品を鑑賞し「素晴らしい展示会ですね」と感想を語り作品の制作者らに労いと励ましの言葉をかけたという。今年は視覚障害者も展示を楽しめるよう「触れて感じる作品コーナー」を新しく企画した。作品には触ることができない展示会が多いなか触れることで、作品を「心」で感じてほしいという。「さわってみて」マーク(写真)の付いたもの限定だが、レベルの高い作品に直接手を触れることができる貴重な機会とあって、視覚障害者だけでなく一般の来場者にも好評を得ていた。身障センターの富永華世所長は「障害が有る人も無い人と同じように創作活動ができるということが伝わると嬉しいです」とし「両日ともご来場いただいた視覚障害者の方もいらっしゃいました。触れて感じる作品コーナーが好評で良かったです」と新しい企画にも手応えを感じている様子だった。
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