届け未来の自分へ~倉梯小でタイムカプセル埋設式
投稿日時:2020年01月07日(火)
昨年末に厚生労働省が発表した2019年の人口動態統計の年間推計によると、出生数が86万4000人と過去最少を更新した。少子高齢化社会の描く極端な人口カーブが当たり前の世の中になった今、「令和」はこれまで以上に地域で子どもを育む社会が待望されている。
「子どもたちの夢をみんなで応援したい」地域からのそんな声が発端となり昨年12月23日、倉梯小(大久保智子校長)でのタイムカプセル事業は実現した。同8月には近隣の倉梯第二小で同様の事業が開催され、倉梯小でも出来ないものかと同校の学校運営協議会(倉橋貢会長)が動き出した。次第に賛同の動きは地域の関係者に広がり、タイムカプセルとして地中に埋設するステンレス製の箱の製作を地元企業の小阪金属工業が買って出るなど、事業は前に進んでいった。そして迎えた当日。満を持して、タイムカプセルの埋設式が同校で行われた。折しもこの年は、同校が創立145周年の節目を迎えるということもあって、絶好の機会となった。冒頭のあいさつに立った大久保校長は「未来に向かって今を生きる皆さんは、地域の宝もの。これからの人生は良いことばかりではないだろうけど、つらい時苦しい時にみんなを応援してくれる人たちがいることを思い出して乗り越えてほしい」と児童たちにエールを送った。埋設の前に6年生を代表して手紙を発表した永木俊輔さんは、準備に携わった地域の人への感謝を述べた上で芸能人になる夢を披露し、「憧れられるような活躍をするのは難しいかもしれないけれど、自分の夢を叶えられるようにたくさん努力していきたい」と言葉に力を込めていた。全学年の発表が終わると、全校児童が書いた手紙はタイムカプセルに入れられ、正門横の植え込みに掘られた穴に埋められた。ステンレス製で頑丈なつくりのタイムカプセル。結合部のボルトは念入りに絞められた。埋設式に参加していた保護者の一人は「我が子を通じて、多くの子どもたちの夢を聞くことが出来た。それぞれの夢が叶えられるよう、地域の大人として子どもたちを励まし続けていきたい」と話していた。カプセルの開封は、19年後の8月14日を予定している。大人になった児童らが、子どもの自分からの手紙を笑顔で受け取ることが出来る、そんな明るい未来の到来を願いたい。
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