身を守る術学ぶ東西少年消防クラブ
投稿日時:2023年07月28日(金)
夏本番を前に着衣水泳研修
海や川等での「もしも」に備える
水難事故件数が増える季節を迎え、新舞鶴小で23日、東西少年消防クラブが着衣水泳の研修を行った。参加した児童らは、海や川での「もしも」に備え、座学や実技の実践的な研修に取り組んだ。
梅雨が明け夏本番が始まった21日、福岡県で痛ましい水難事故が発生した。現場となったのは福岡県宮若市を流れる犬鳴川。一見すると「穏やかな川」と見られる川で、川遊びをしていた小学6年生のいずれも11歳の女子児童3人が溺れ、その後深さ2.5メートルから3メートルの川底で見つかり、救助されたものの全員の死亡が確認された。
また、翌22日には、埼玉県の川で39歳男性が溺れ死亡する事故が発生。相次ぐ水難事故に、全国的に警戒が強まっている。
そんな中で行われた東西少年消防クラブによる着衣水泳研修。参加したのは、クラブ員22人と育成委員らを合わせた約50人。
着衣水泳とは、衣服を着たまま水に入り、動きにくさを実感した上で衣服を着ているメリットを活かし、水に入った時の対処法を学ぶことを目的としている。
衣服を着たまま水に入ると、泳ぎに自信のある大人であっても、衣服が重くなったり、水の流れに引っ張られることで体の自由が利かなくなる。そういった状態では、力を入れれば入れるほど体力を消耗し、パニックになってしまい、その結果溺れてしまうことがあるのだという。
舞鶴西消防署の西嶋浩之さん(51)は、「夏休みに入ってすぐ、あのような痛ましい事故が発生しました。着衣水泳は、もしもの時のために、各自がしっかりと学んでほしい」とクラブ員の取り組みに期待を寄せていた。
揃いのユニフォームに身を包んだクラブ員たちは、東消防署防災センターでの座学の後、新舞鶴小に移動しプールでの実技に取り組んだ。真夏日の強い日差しが降り注ぐ中、クラブ員らは着衣のままプールに飛び込み、育成委員らの指導のもと実践的な知識を吸収していた。
東少年消防クラブのクラブ長を務める正林快斗さん(倉梯小6年)は、「もしもの時には大人を呼んでくるとか、浮くものを探したりします」と話していた。
西少年消防クラブのクラブ長を務める堀江翔さん(中筋小5年)は、「体をバタバタさせていたら浮くことが出来た。もし服を着たまま溺れそうになったら、今日やったことを思いだして助かるようにしたい」と話していた。
欧米では、水泳よりも重きを置かれるという着衣水泳。実践的な知識が世代を問わずに広がり、痛ましい水難事故を防ぐ一助となることを期待したい。
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