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学び舎舞台に世代間交流傘寿の先輩 母校へ帰る

学び舎舞台に世代間交流傘寿の先輩 母校へ帰る

投稿日時:2023年06月16日(金)

校名変われど思いは同じ

 岡田中を昭和33年に卒業した19人が、8日に加佐中を訪れて在校生と交流する催しがあった。盛大に出迎えられた卒業生たちは感激した様子で、孫ほど年の離れた後輩たちを前に力強いエールを送った。

 岡田中と由良川中が統合して、2011年に誕生した加佐中。今回同校を訪れた19人は、岡田中の卒業生になる。岡田中は名称こそ今はもうなくなったものの、現在加佐中の校舎が建つ場所は当時のまま。これまでから定期的に同窓会を開催してきた卒業生。「傘寿記念となる今回は母校を見学したい」と計画を進めることになった。
 幹事を務めた真下富男さん(79)は、「これまで開いてきた同窓会はパーティーが中心だったが、コロナ禍を経て、今回は趣向を変えて開催しようと考えました」と経緯を説明。同校には今年の2月に「校舎などを見学させてほしい」と打診したのだという。
 卒業生からの依頼を受けて同校は、「せっかくの機会なので、生徒たちと出会ってもらいたい」と阪口靖敬教頭(50)を中心にお迎えセレモニーの準備を進めた。同校の全校生徒は62人。木下真吾校長は、「本校は統合・開校から13年と新しい。しかし、ルーツをたどれば歴史は古い。旧由良川中、旧岡田中のたくさんの卒業生たちが、今も変わらず学校を応援してくれている。そうしたことを肌で感じてもらい、愛校心や感謝の気持ちを醸成する機会としたかった」と話した。

 【「夢と希望持って」とエール】
 当日、京阪神など各地から集まった19人は、バスに乗って同校に到着。すぐに在校生たちの待つ体育館に入ると、万雷の拍手で出迎えられた。
 一行はその後、生徒たちから現在の校歌を披露してもらい、生徒会からの歓迎の言葉に耳を傾けた。
 代表して歓迎の言葉を述べた羽賀凜太郎さんは、「今の全校生徒は62人だけど、当時は1学年で141人もいたと聞き、とても驚きました」と話し、「由良川中、岡田中の歴史を大切に引き継ぎながら、新しい加佐中を作っていきますので応援してください」と呼びかけた。
 一方、「傘寿の先輩」を代表して激励の言葉を贈ったのは瀬戸口佐久子さん(79)。大川に住んでいた瀬戸口さんは、毎日30分かけて砂利道を自転車で通学したという。在校生へのメッセージでは、高校卒業後に大阪に出て美容師になった過去を振り返り、「今年の4月に60年続けた美容師人生に終止符を打った。ここまで続けられたことを誇りに思う。皆さんも夢と希望を持って、突進してほしい」と語りかけた。
 時代は変われども、学び舎は生徒たちを代わらず温かく見守り続けている。この日の交流は両者の今後の人生に、鮮やかな標となって輝き続けるに違いない。

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