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地道な活動で社会を明るく舞鶴拘置支所の環境美化に尽力

地道な活動で社会を明るく舞鶴拘置支所の環境美化に尽力

投稿日時:2023年06月13日(火)

東西両地区の更生保護女性会
京都刑務所長から感謝状

 令和の時代になり、私たちの暮らしを取り巻く環境は日々進化している。しかし、社会が便利で豊かになる一方で、痛ましい事件がなくなる気配は一向にない。そんな中、「社会を明るくしよう」と有志らは地道な活動を続けている。

 円満寺の舞鶴拘置支所で6日、舞鶴西地区更生保護女性会の会員が、同支所玄関前に設置するプランターの花植え替え作業を実施した。同女性会は、昭和46年に舞鶴西地区更生保護婦人会として発足。同50年から舞鶴拘置支所の慰問活動を始め、同63年から玄関口に年に2回、無償で花壇を整備し続けている。
 この日は、こうした長年に渡る環境美化への貢献で、同会に対して京都刑務所長からの感謝状が贈呈された。
 同会の櫻井ひろ子会長(74)らに感謝状を手渡した同拘置支所長の城健司さん(61)は、「拘置所などの施設は大抵が殺風景。笑顔の出にくい職場ですが、花を見て職員の心も和みます。また、面会に来られる方の癒しにもつながると思います」と笑顔を見せていた。

 【孤立させない社会づくりを】
 この日、作業に集まった会員は16人。それぞれがなれた手つきで手際よく作業を進めた。用意された花は40株ほどで、マリーゴールドやキキョウ、ニチニチソウなど彩りも豊かなラインナップ。コロナ禍の間も絶やすことのなかった取り組みだが、この日は作業の後に茶話会もあるということで、会員たちは終始にこやかに手を動かしていた。
 平成21年から活動に参加しているという櫻井会長は、知人に勧められて入会した。世間を震撼させるような凶悪事件が発生した時などは、以前なら「そんな事件を起こす人は理解できない。怖い」と思うしかなかったが、今は加害者が事件前にどういった状況に置かれていたのかと思いめぐらせるようになったという。
 「地域の中でおせっかいおばさんとして、積極的に声かけをしていきたい」と櫻井さんは話し、「この花にしても間接的なものではあるけれど、少しでも癒しを感じてもらえたらうれしいし、いろんな活動を通して誰かを孤立させない社会づくりに貢献できればと思っています」と力を込めた。
 またこの日は、舞鶴東地区更生保護女性会にも感謝状が贈呈された。現在、西地区は約50人、東地区は約90人の会員を有する。更生保護女性会は、地域社会の犯罪・非行の未然防止のための啓発活動を行うとともに、青少年の健全な育成を助け、犯罪や非行をした人の改善更生に協力することを目的とするボランティア団体。少年院などの矯正施設や更生保護施設への慰問活動のほか、地域の実情に即した非行問題等を話し合う地域集会、子育て支援の活動などにも取り組んでいる。両女性会では現在、新会員を募集している。

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