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自信が力に<br>舞鶴支援学校・製品販売会が大盛況<br>4年ぶりに和太鼓演奏も復活<br>活気ある地域づくりに貢献を

自信が力に
舞鶴支援学校・製品販売会が大盛況
4年ぶりに和太鼓演奏も復活
活気ある地域づくりに貢献を

投稿日時:2023年02月24日(金)

 過去3年間にわたり、私たちの日常を大きく変えた新型コロナウイルス感染症。政府は来月13日からマスクの着用を個人の判断に委ねると発表し、いよいよアフターコロナ社会の始まりが見えてきた。そんな中、舞鶴支援学校高等部の生徒たちが16日、作業学習の集大成となる販売会で元気な声を響かせた。

 同校高等部では例年、作業学習の中で作った木工品や野菜などを市民に向け販売するとともに、和太鼓を学ぶ生徒たちが日ごろの成果を発表する演奏会を開催している。製品の販売では、「生産」「流通」「販売」という一連の実践的な体験を通して働く意欲を引き出し、働く力と自信を育てることを目的としており、接客に必要な力を身につけるため、事前学習をして本番に臨んでいる。販売を通じて実際に客と触れ合うことは勤労意欲の向上につながるため、一連の学習をより効果的にするためには、その重要性が大きくなっている。
 しかし、新型コロナウイルス感染症の影響が出始めた3年前から開催を見合わせており、今回は実に4年ぶりの機会となった。
 この日、円満寺の西市民プラザに開設された販売所には、時間によっては行列ができるほどの市民が詰めかけた。売られているのは、野菜などの農園芸品をはじめ、丁寧に加工された木工品や手芸作品、食器などの陶器類など。来場者は売り場の生徒とコミュニケーションをとりながら販売品を手にし、にこやかな様子で買い物を楽しんでいた。
 たまたま近くを通りがかり覗いてみたという70代女性は「賑わっている様子につい誘われました。素晴らしい製品ばかり。一生懸命に声を出している生徒たちの姿に心打たれました」と話し、コースターなどを買い求めていた。
 また、学校内の和太鼓プロジェクトに参加する17人が演奏を披露し、来場者から大きな拍手が送られる一幕も。練習成果を発表する場になかなか恵まれなかったこの数年。生徒たちはその鬱憤を晴らすように力強い演奏を繰り広げた。
 同校総括主事の南田高典さん(51)は、「今日参加したのは27人の生徒ですが、みんな初めての機会。日頃の成果を発表し認めてもらえる場、社会とのつながりを持てる場は本当に貴重。子どもたちのこれからの人生に、大きなプラスとなります」と笑顔を見せた。
 時間がたつにつれ、「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」など生徒たちの接客の声からも自信が伝わるようになり、会場のあちこちでコミュニケーションが交わされる場面が繰り広げられた。
 木工品の販売を担当していた宮本耀(あきら)さん(16)は、「作るのは難しかったけど面白かった。自信作は木製の栞。サンドペーパーで角を丸くした」と制作過程を振り返り、「自分の作ったものを買ってもらった時はとてもれしかった。初めてで失敗することもあったけど、この経験を生かして来年以降の販売会につなげていきたい」と抱負を述べた。

木工品を販売する宮本さん
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