開局6年目で初の快挙
FMまいづる・第24回近畿コミュニティ放送賞で最優秀賞に
新たに見出したラジオの可能性
審査員絶賛で堂々受賞
投稿日時:2022年12月30日(金)
「第24回近畿コミュニティ放送賞(JCBA日本コミュニティ放送協会近畿地区協議会主催)」の表彰式がこのほど和歌山県で開催され、FMまいづるが応募した特別番組が最優秀賞を受賞した。並みいる老舗局を抑えて開局6年目での初受賞となり、関係者の間に喜びが広がっている
最優秀賞を受賞したのは、FMまいづるが2021年8月6日に放送した特別番組『純度100%の真っ暗闇に見えるものは何か? 真っ暗闇のエンターテイメント「ダイアログ・イン・ザ・ダークの精神」』。
ダイアログ・イン・ザ・ダーク(以下DID)とは照度ゼロの暗闇空間で、聴覚や触覚など視覚以外の感覚を使って日常生活のさまざまな場面を体験するエンターテイメント。事前に白杖を渡された参加者は数人のグループとなり、完全に光を遮断した照度ゼロの暗闇空間を探検。視覚以外の感覚を研ぎ澄ませ様々な場面を体験する。暗闇内では「アテンド」と呼ばれる視覚障害者のスタッフが参加者を案内する。DIDは、1988年にドイツの哲学博士アンドレアス・ハイネッケの発案によって誕生。これまでに世界41か国以上で開催されており、900万人を超える人々が体験しているという。日本では1999年11月の初開催以降、21万人以上が体験。現在は東京と大阪での体験が可能で、舞鶴市人権啓発課も講演会の開催を企画していたが中止に。
これをきっかけに制作が始まった番組には、DIDジャパンの志村真介代表や舞鶴市視覚障害者協会の宮森克己会長らが出演。リスナーに、ラジオを通した「暗闇の世界」の体験を提供した。
優しくゆったりとした口調で暗闇の世界へといざなうのは、DID総合プロデューサーの志村季世恵さん。「あなたは今、暗い森の中にいます」と始まるナレーションで、足に感じる柔らかな落ち葉の感触や頬にあたる心地よい風の様子などを伝えていく。
志村代表が「DIDの体験によって得られるものは大きく、暗闇の中で立場が逆転した視覚障害者と健常者は相互理解が深まる」と話す通り、ラジオ番組での短い簡易的な体験でも「今までにない感覚を味わうことが出来た」「見えない世界を感じることが出来た」といったリスナーからの声も。
放送賞の審査員からは、「これからの発展が期待される番組」「ラジオの可能性を新たに見出した」などと絶賛する声が相次いだ。
同局の時岡浩二ジェネラルマネージャーは、「コロナ禍ということで、今は色んな意味でダークな世界となっている。そうした時期の背景やリスナーの思いなど、色んなことがマッチした番組だった」と番組について述べ、「10年20年と続いている局は、どこも良い番組を作っている。今回、我々は6年目で受賞することが出来た。経験が蓄積されてきて、業界の人に認めてもらえたことで、これまでやって来たことに間違いがなかったと思うことが出来た。これからも、ラジオ独特の魅力を追及して、こういった番組の提案に力を注ぎたい」と力を込めた。
なお、この番組は、同局のホームページにアクセスして聴くことが出来る。
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