与え合う世の中へ
余部下・稲岡さん
前向きな気持ち伝えるゲーム考案
プラスのエネルギーで日々の暮らしに笑顔と活力を
投稿日時:2022年10月14日(金)
余部下の画家・稲岡博さん(73)が、自作のゲーム「ありがとう・台風の目」を完成させた。ロシアによるウクライナ侵攻やコロナ禍などによって沈鬱な雰囲気が漂う昨今、「幸せな気持ちを積極的に作っていくお手伝いになれば」という思いでゲームを開発したという稲岡さんに話を聞いた。
もともと絵画専門の美術家である稲岡さんは、これまでにも多種多様な創作物を世に出してきた。
三角の厚紙を重ねた物の中央にビー玉を埋め込んだ「三角ゴマ」や、幸運を招く神の像として有名な「ビリケン」像を立たせた「立ちビリケン」など、一風変わった視点から作りだされた作品は多くの人の心をつかんでいる。
コマを回すことにより厚紙に描かれた絵が美しい模様を浮かび上がらせる「三角ゴマ」は、銀行のATMで詐欺被害防止のPRを目的に設置されたり、「立ちビリケン」はビリケンの本場である大阪・新世界の通天閣近くにも、高さ3メートルを超える像が設置されたりするなど、稲岡さんの作品は各地に活躍の場を広げている。
そうした作品の制作にあたり、稲岡さんが心がけるのは「幸せづくり」。自身の産み出す作品が“人々の日々の暮らしに明かりを灯すことが出来れば”との思いを込めて、新たな作品「ありがとう・台風の目」ゲームは完成した。
【残すべきは文化と平和】
誰でも簡単にすぐ始められる手軽さは、ゲームの大きな特徴。テーブルや床に置く縦90㎝×横40㎝のボード上で、ゲームは繰り広げられる。
プレーヤーは基本的には2人を想定。向かい合って、それぞれの陣地から相手の陣地に向かって三角ゴマを回しながら送り込み、相手陣地に書かれた点数のポイントに置くことが出来れば得点となる仕組みだ。冬季オリンピックで人気の高い「カーリング」に着想を得たという。
しかし、大きな違いはゲームそのものの考え方。競い合い、相手の邪魔をしたり蹴落としたりする要素がこのゲームにはなく、むしろゲームの目的は「与えあうこと」だと稲岡さんは説明する。
プレーヤーが回転させて相手陣地に送り込む三角ゴマには、「ありがとう」の文字がびっしりと書き込まれている。プレーヤーは、相手に対する感謝の気持ちや褒める言葉などを口に出しながら、「ありがとう」のコマを送り出し、言葉を届けるというルールとなっている。
稲岡さんは「ゲーム名にある『台風』は忌み嫌われるものだが、『感謝の気持ち・相手を称える気持ち』もそれ位の大きなエネルギーで届けたいという思いで名づけた」と話し、「今の時代に必要なものは『奪い合い』ではなく『与えあい』。このゲームを通して、普段は口に出しにくい気持ちを伝え、お互いに幸せな気持ちになってほしい」と力を込めた。
今後は福祉施設などで活用してもらうことを念頭に置いているという稲岡さん。初回に制作した1セットは希望者に贈呈する。
希望者は℡0773・78・2055またはFAX0773・77・1750で舞鶴市民新聞社「ありがとうゲーム係」まで。受け付け期間は20日17時まで。応募者多数の場合抽選。
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