最新の記事

  

市政監視の役割とは<br>FMまいづる・中継局問題<br>市側の答弁「逃げの一手」<br>かみ合わない議会答弁に存在意義への疑問噴出

市政監視の役割とは
FMまいづる・中継局問題
市側の答弁「逃げの一手」
かみ合わない議会答弁に存在意義への疑問噴出

投稿日時:2022年09月27日(火)

 今秋に市議選が行われる舞鶴市議会では現在、市議の任期最後となる9月定例会が開かれている。9月14日には小杉悦子市議が一般質問で「FMまいづる中継局問題」を取り上げ、川端常太市長公室長が答弁。行き着く先のない、空虚なやり取りが繰り広げられた。

 市が国からの補助金1.6億円を使って難聴地域に設置した無線方式の中継局が加佐地域で正常に機能しなかったことを受け、市の財源を使って新たに無線受信局を設置した「FMまいづる中継局問題」。3月には、「設計を担当した業者に責任を負わせるべき」とする住民監査請求が市民から出されたものの、棄却。6月定例会では鴨田秋津市議の質問で川端公室長が「無線はFMまいづるからの強い要望」と答弁し、これを受け同局を運営する有本積善社はそうした市の姿勢を「責任転嫁に他ならない」と強く非難。申し入れ書を提出し答弁の撤回を求めた。
 しかし、その後の議員協議会や今定例会の市長答弁を通じて市は、一貫して訂正の要求には応じず、事態は泥沼化の一途を辿っている。

市HPに掲載されている「市民・市長・議会の関係」

 【市民代表の責任いずこに】
 この日の一般質問で小杉市議は、有本積善社が求めている答弁撤回について質すとともに、基本設計を担当した大手建設コンサルタント会社である「建設技術研究所」(本社=東京都)」の責任の有無について追及した。
 これまで市は、「特定の者の責めに帰す考えはない」とした有本積善社の申し入れに対する回答をはじめ、一貫してコンサル会社の責任を認めていない。この日の小杉市議の追及にも、全く取り合う姿勢を見せなかった。
 質問の中で小杉市議は、令和2年10月28日に市広報広聴課の担当者からFMまいづるの担当者に送られたメール内容を紹介。その中で市担当者は「設計会社が問題ないと回答しているので、それを信じて出すしかない。もちろん問題があれば、設計会社の責任になります」と断じており、小杉市議は「担当者間では設計会社の責任とされているのに、なぜ市はその責任を問わないのか」と詰め寄った。
 一方、メール内容について答弁した川端公室長は、「免許申請にかかる総務省との事前協議において、前年度に設計会社が作成した資料で総務省から修正の指摘があった場合は、設計会社の責任で修正してもらうということを意味する」と限定的なものであることを強調した。その他にも、様々な角度から質問を繰り広げた小杉市議だったが、川端公室長はその都度長々とした要点を得ない答弁で応じ、最後まで噛み合うことはなかった。
 本紙にも「納得できない」という声が多く寄せられる案件だが、のらりくらりと幕引きを図る市当局。市HPにも掲載されている「市議会の役割」では、市議会は市政を監視する立場であるとされている。しかし今定例会のように、真摯に向き合う姿勢がまるで見えない市は、自らその構図の成立を妨害していると言えるのではないか。加えて、この件に全く関心を示さないほとんどの市議の面々。居眠りする姿まで見られた市議会に、任期最後の緊張感はなかったと言わざるを得ない。次の選挙で市議の椅子は一つ減るが、それが妥当な数だったのか今更ながら疑念を抱く市民も多いに違いない。

この記事をシェア!
Management BY
舞鶴市民新聞
当サイトは舞鶴市民新聞社が運営しています
ページトップへ