最新の記事

  

反戦の思い 今こそ<br>舞鶴・引揚語りの会が記念誌作成<br>府の市町村・地域自治功労者表彰受賞<br>15年の歩みに花添える

反戦の思い 今こそ
舞鶴・引揚語りの会が記念誌作成
府の市町村・地域自治功労者表彰受賞
15年の歩みに花添える

投稿日時:2022年06月21日(火)

 舞鶴引揚記念館を本拠地にした語り別活動に取り組むNPO法人舞鶴・引揚語りの会(勝島勝彦理事長)がこのほど、記念誌「15年のあゆみ」をまとめた。6月17日には京都府から、「市町村・地域自治功労者表彰」を受け、節目に花を添えた同会。これまでの道程と今後に向けた思いを取材した。

 舞鶴・引揚語りの会が設立されたのは、平成18年。それに先立って開講した「語り部養成講座」の受講生らが中心となり、次世代の語り部活動がいよいよ幕を開けた。
 以来、ユネスコ世界記憶遺産への登録、記念館の開館30周年などの節目を経ながら着実に活動の幅を広げてきた同会だったが、コロナ禍による影響に飲み込まれることになった。
 緊急事態宣言の発出等で、記念館自体が休館になるなど活動は大きく制約されることに。満足な活動が展開できないまま迎えた昨年、15周年はひっそりと過ぎゆくことになった。
 それから一年、編集委員長を務めた谷口栄一さんを中心に地道な作業に取り組み、3月に記念誌が完成。谷口さんは、「舞鶴の地で13年間に渡って続いた引き揚げ。私たちの活動はその期間を上回る15年となりました。記念誌には会員の皆様それぞれが使命感を持って取り組んでいる様子が赤裸々に描かれており、今後の活動に役立つ資料となることを願っています」と話した。

記念誌を手に笑顔を見せる宮本さん

【記念館と語りの会 両輪として切磋琢磨】
 記念誌発刊に理事長として携わった宮本光彦さん(75)は、5月に6年間務めた重責を退いた。任期終盤には、コロナ禍で満足に活動することが出来ず、そんな中で起こった「ウクライナ危機」に心を痛める日々が続いた。
 「会として何かもっと出来ることはないか。伝えることは出来ないかと、もどかしい思いだった」と宮本さん。市の外郭団体が指定管理者だった頃には4年間に渡って記念館の館長を務め、館の運営側としてもボランティアとしても「引揚」に関わってきた宮本さんは、「両者はまさに車の両輪。お互いが機能してこそ大きな推進力が生まれる」と力を込める。
 宮本さんは、「ウクライナの悲惨な現状を報道で知るたび、罪なき市民が家族と引き離されて生死をさまよう現実を目にするたび、結局、戦争とはこういうことだと強く感じる。私たちは今こそ、命、平和の尊さを改めて伝えていかなければならない」と訴え、「今回の受賞も皆様のおかげ。市の力添えでホームグラウンドを持たせてもらえていることに感謝し、今後も力強く活動していきたい」と話した。

この記事をシェア!
Management BY
舞鶴市民新聞
当サイトは舞鶴市民新聞社が運営しています
ページトップへ