最新の記事

  

舞鶴引揚記念館<br>視覚障害者の4人が来館<br>高専生寄贈の3D模型を活用

舞鶴引揚記念館
視覚障害者の4人が来館
高専生寄贈の3D模型を活用

投稿日時:2022年05月31日(火)

 平の舞鶴引揚記念館で15日、高専生の製作した3D模型が市外から訪れた視覚障害者に初めて披露された。同館を訪れたのは、横浜市の岡崎学さん(63)夫婦と濱田良之助さん(66)夫婦の2組4人。新聞記事で模型の存在を知ったという岡崎さんが、見学希望の旨を伝えて実現した。
 模型は3Dプリンターで制作した引揚船等の作品。いずれも、この春に同校を卒業した学生3人が卒業制作で取り組んだもので、引揚船の興安丸(長さ55㎝高さ15㎝幅9㎝)をはじめ復元桟橋(長さ36㎝幅22㎝)、望郷慰霊の碑(長さ3.6㎝高さ17㎝幅3.6㎝)、異国の丘・岸壁の母の歌碑(長さ15㎝高さ6㎝幅8㎝)、あゝ母なる國の碑(長さ9.5㎝高さ14㎝幅7.5㎝)の5点となる。
 記念館を訪れる人の中には視覚障害の人もいて、かねてから「触って見る」作品の展示が検討されていた。こうした施設は、「段差をなくしてスロープを作る」というバリアフリー化だけにとどまらず、見ることが出来ない人や聞くことが出来ない人にも展示物を示す必要がある。教育旅行の増加など、以前に増して多くの来館者を受け入れるようになってきた同館には「情報のバリアフリー化」も求められるようになってきていた。
 この日、2組の夫婦は介助をする4人と共に同館を訪れた。学芸員の説明を受けながら、慎重に模型に触れて、「この突起はなんですか」「ここが操舵室になるのですか」などと熱心に質問し、イメージを膨らませていた。岡崎さんは、「実際に触ってみると、どのような構造なのかよくわかる」と感想を述べていた。
 また、模型を作る趣味があるという濱田さんは、「こうした展示品が増えれば、イメージしやすくなり、とても良い」と話していた。
 質問に答えるなど応対した学芸員の長嶺睦さんは「今回いただいたリアクションを参考にして、次のステップに繋げていきたい」と意欲を見せていた。

手で触れて展示品を確認する来館者
この記事をシェア!
Management BY
舞鶴市民新聞
当サイトは舞鶴市民新聞社が運営しています
ページトップへ