交流が励みに
『たつみ会』3年ぶりの同窓会
傘寿越え旧交温め明日への糧に
投稿日時:2022年05月27日(金)
コロナ禍が人々の交流機会を奪ってから3年目、ようやく活動自粛の波も穏やかになりつつある。
5月20日には、西舞鶴高の昭和34年卒業生による「たつみ会」が3年ぶりに開催され、傘寿を超えた同級生らが旧交を温めた。
西高卒業生で組織する「双鶴同窓会」の中でも、ひときわ活発な活動を続けている「たつみ会」。その歴史は古く、会は有志により高校卒業後すぐに結成され、すでに60年を超える年輪を刻んでいる。
生まれ年の干支が辰年と巳年であることから名づけられた同会は、西高11回生およそ330人のうち有志によって運営されており、年に一回は同窓会を開くなど継続的な活動に取り組んできた。
卒業後45周年となった平成16年には、五老ケ岳山頂にあった「かんぽの宿舞鶴」で記念式典を開き、宿そばの第1駐車場近くに桜の苗木一本を植えた。
その際、同駐車場西側は樹木が伸びて西湾の景色を眺めることができないのに気づき、近畿百景第1位の五老ケ岳の眺望を取り戻そうと、市に伐採を陳情。同年中に伐採が行われ、同会メンバーも空き缶拾いなどに取り組んだ。その後、跡地に紅葉の新名所づくりを呼びかけ、メンバーから1本500円の募金を集め、平成18年には、イロハモミジ200本を植樹した。
以来10数年の時が流れ、樹木は順調に成長。あでやかな姿が市民の目を楽しませるようになったものの、会の交流はコロナ禍で寸断された。
そうした中、「今年は何としても集まろう」との機運が高まり、企画を開始。発起人代表の眞下賢一さんを中心に、3年ぶりの同窓会実施に向けた日々が始まった。
【いきいき生きる 互いの刺激に】
「せっかくの機会だから、より実りあるものにしたい」との思いから、ただ集まるだけの同窓会の枠を超え、同級生の作品展を同時開催することに決まった。
作品展は、西方寺の大庄屋上野家で10日から30日まで開催。日本画の柴田富美代さん、水彩画の河村俊介さん、創作粘土の小橋美薗さんが出品し、この日までにも地元の小学生など多くの来場者が訪れていた(写真)。
神戸大を卒業後に、大手ビールメーカーで幹部職を務めた後に退職した河村さんをはじめ、それぞれの道を歩んだ3人。芸術の道に足を踏み入れたのは皆、還暦を迎えた頃だった。
「全くの未経験で始めました」という3人は、「ご縁に恵まれて続けられています」と笑顔を見せた。
同級生の作品を観た後に行われた懇親会では、「これまで以上に話に花が咲いた」と眞下さん。「生き生きと活動する3人の姿を見たことが、それぞれ明日への糧になったと思います」と振り返った。
一方、作品を出品した河村さんは「いろんな作品展で、これまでにも多くの人に見ていただきましたが、同級生に見てもらうのは違った喜びがあります。自分自身でも、今後の励みになりました」と話した。
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