楽しさをスタートに
「スポーツのまち舞鶴」を目指してイベント開催
東京からIターン
若き情熱で社会に変化を
投稿日時:2022年05月13日(金)
全日本柔道連盟が2022年3月18日、全国小学生学年別柔道大会を廃止すると発表し、小学生スポーツ界に波紋が広がった。
同連盟の決断は、「勝利至上主義のもたらす弊害は、本来得られるべきスポーツの喜びを奪ってしまっている」と多くの共感を呼んでいるが、当地でも「スポーツの楽しさを実感できる街」を目指した取り組みが始まった。
「スポーツのまち舞鶴」を目指した様々な活動の展開に踏み切ったのは、上安久で縫製工場の後継者として業務に当たる菅原一輝さん(33)。千葉県船橋市出身の菅原さんは、立命館大でスポーツビジネスを学び、およそ10年間の会社員生活を経て舞鶴に。コロナ禍で不自由を感じた東京での暮らしに終止符を打ち、妻の実家が経営する会社に入ることになった。
それ以来2年ほどの月日が流れ、仕事にも土地にも慣れてくると、「何かでスポーツに携わりたい」という願望が頭をもたげた。
菅原さんは「スポーツには不思議なパワーがある。仲間との一体感や、良いプレーを見た感動。そんな純粋な感情を多くの人と共有したい」と事業立ち上げの気持ちを語った。 また、これまでに様々な立場の市民と対話する中で、「選択肢がスパルタのバレー部に入るか、入らないか、しかなかった」や「正しい指導方法が浸透しておらず、本当の楽しさに欠ける」などの意見を聞き、長期的な展望に立った仕組みづくりへの挑戦を決断した。
【6月には初めてのイベント開催】
菅原さんが実施するのは、スポーツビジネスの道に進んだ大学時代の仲間ら幅広い人脈を生かしたイベントなどの開催。6月25日には、元バレーボール日本代表の酒井大祐さんを講師に招いて、市内会場でバレーボール教室を開催する(予定)。
教室のテーマは、「正しい指導で楽しいバレーボールを!」とし、「バレーボールって楽しいな」という心からの思いを引き出すことを目的とするという。
「“スポーツのまち”が目指すのは、名選手を輩出することだけではありません。スポーツの楽しさに触れ、豊かな人生を送ることが出来る環境づくりこそ、目指すべき到達点だと考えています」と菅原さん。若き情熱が、当地のスポーツシーンにどのような変化をもたらすか。その動向をしっかりと見守っていきたい。
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