いざ飛躍の時
日星レスリング部
北村結心さんが92キロ級で全国大会へ
中学時代は卓球部
異色の巨漢が努力で勝ち取った夢舞台
投稿日時:2022年03月18日(金)
長引くコロナ禍を受け、学校での部活動には、日々の練習や対外試合などに制限のある状況が続いている。そんな中で迎えた芽吹きの季節。とりわけ不自由な環境を強いられたレスリングで、黙々と力を蓄えた新星が全国の舞台に踊り出す。
選手自体が集まりにくい重量級。部の団体戦出場もかかってくるため、監督やコーチら関係者は毎年、入部希望者集めに奔走する。
3月27日から新潟市で開催される「令和3年度風間杯第65回全国高等学校選抜レスリング選手権大会」への出場を決めた北村結心(ゆうき)さん=日星高2年=は、大きな体に目をつけられ入部の勧誘を受けたという。
180センチを超える上背で、入学当時には体重も100キロを超えていた北村さん。非常に目立つ巨漢であったが、中学時代には卓球部に所属し格闘技には無縁の存在だった。
日星高レスリング部前監督の三村和人さんから、何度も熱心な勧誘を受けた北村さん。最初は「格闘技は怖い。キツそう」とネガティブな先入観に支配されていたが、次第に心が傾き始めた。「危ないんじゃないか」と入部を反対する家族をしり目に北村さんは、「気持ちを強くしたい」と前向きな変化を望んで入部を決めた。
【コツコツとたゆまぬ努力で夢つかむ】
「身体は大きかったが、ぽっちゃり体型だった」と同部監督の山田来哉さんは北村さんの入部当初を振り返る。それまで格闘技を経験したことのなかった身には、厳しすぎる練習の日々が続いた。突然の環境変化になじめず、当初は部に顔を出さない日もあったという。しかしその都度、山田さんが熱心に声をかけ、半ば強引に練習へと引っ張った。
練習相手を務めたのは、昨年のインターハイに出場した重量級の高橋凱峰さん。今はもう部を巣立った先輩の胸を借りる日々で、100キロあった体重は80キロまで落ち、その後じっくりとつけた筋肉で90キロを超えるまでになった。
そうして黙々と力をつけた北村さんは、昨年11月開催の京都府予選で優勝。本来は1月に実施予定だった近畿大会が中止となったことで、92キロ級個人戦の部で全国大会出場の切符を勝ち取った。
山田さんは、北村さんのセールスポイントを「練習に取り組む姿勢」と評し、「コロナで試合もこなせない中、腐ることなくコツコツと取り組んだ成果。初めての大舞台は、これまでの努力を信じて思いっきり力を発揮してほしい」とエールを送った。
北村さんは、「指導して下さった監督、コーチ、先生、先輩や仲間、そしていつも支えてくれる家族のおかげでここまで来られた。恩に報いるためにも精一杯頑張りたい」と抱負を述べた。
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