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浜の宝林寺で<br>宮中の雅伝える御殿雛<br>3月下旬頃まで

浜の宝林寺で
宮中の雅伝える御殿雛
3月下旬頃まで

投稿日時:2022年03月04日(金)

 浜の宝林寺(稲田尚住職)本堂で、3月3日桃の節句に合わせて御殿雛を展示している。
 訪れた女性は、毎年この時季を楽しみにしているといい「今年も素敵なお雛様が見られました」と豪華で精巧な作りの建物などに見入っていた。
 御殿雛は京都御所の紫宸殿を模して作られたもので、高さ約90㎝、幅約180㎝。ネジや釘を使わない木製ほぞ組みの建物は、慎重に作業を進めなければ崩れてしまうため、毎年組み立てには半日以上を要するという。
 昭和初期に海軍関係者から同寺へと寄贈された。以来、ひな祭りに合わせて公開し大切に守り伝えてきた。
 江戸後期の製作とみられ、建物屋根のひさしや御簾など細部まで丁寧に仕上げられている。傷んでしまい内裏雛は代替わりしているが、渡り廊下を歩く3人官女や庭番などは当時のまま。現行の人形にはない独特な表情を、ひと目見たいと遠くから人形師が訪れたこともあった。
 そのほか竹細工のかごや箪笥、漆塗りの器や鏡台といった小道具も並び、どれも凝った作りで見る者を惹きつける。3月下旬ごろまで展示予定。
 稲田住職は「(現代の人形が正面を向いているのに対し)三人官女など当時のものは動きがあっておもしろい」と話し「何も、おもてなしは出来ませんが、時代によって異なる人形の表情などを見比べて楽しんで見てもらえれば」と笑顔を見せた。 問℡0773・62・0704、宝林寺。

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