趣味でイキイキ 暮らしに彩り
健康寿命延伸のカギは「生きがいづくり」
投稿日時:2022年01月07日(金)
人生100年時代と言われる現代において、社会の大きな課題となっているのが健康寿命の延伸だ。そんな中、様々なデータからボランティアや趣味を通じた社会参加割合が高い人ほど、転倒や認知症、うつのリスクが低い傾向にあることがわかっている。こうしたコミュニケーションや『生きがいづくり』は、今や個人の問題にとどまらず、社会全体にとっての重要性を増している。
障害者ふれあい行動デイの一環としてこのほど、浜の総合文化会館小ホールで2日間にわたり「第39回舞鶴市障害者文化作品展」が開かれた。
例年12月3日~9日の障害者週間に合わせて開催しているが、前回は新型コロナの影響で中止を余儀なくされた。満を持しての開催となった今年は、友人や家族連れなど多くの人が訪れ、それぞれの作品を興味深そうに見入っていた。
会場内には、ちぎり絵や陶芸、書や俳句、工芸品や手芸小物、生け花など感性豊かな作品がズラリ。アルミ缶などの廃材を活かしたユニークな作品や、一見すると普通の絵のようだが、近づくと細かな作業の連続で仕上がっていることがわかるものなど、趣向を凝らした多彩な作品が並び来場者を魅了した。 出展したのは、福祉事業所など13団体のほか市内在住の障害者や高齢者ら。
娘とともに会場を訪れた山﨑一男さん(81)は、ボール紙などを使い町の景観や店舗、住宅を150分の1の縮尺で製作したジオラマを展示。本物と見違えるような古民家の屋根はタオルで再現した。また材料のほとんどは菓子箱やアイスの棒、焼き鳥の串など廃材を活用しているといい、「捨てればゴミだけど工夫すれば丁度良い材料になる」と話す山﨑さん。小さい頃から好きだったという作品づくりへの情熱は、タクシー運転手を勤め上げたのちに再燃。「桜の花びらになっているのは、ペンで色付けしたティッシュ。ハサミで刻むのに2時間かかった」と笑顔をこぼすと「楽しい時間はつい夢中になってしまう」といって目を輝かせた。
【社会参加の促進を】
厚労省はこのほど、介護を受けたり寝たきりになるなど健康上の問題がなく、日常生活を支障なく送れる期間を示す「健康寿命」が、2019年は男性72.68歳、女性75.38歳だったと発表した。
健康寿命は2010年から3年ごとに算出。前回2016年の調査では男性72.14歳、女性74.79歳で男女ともに延びた。
また2019年の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳で、健康寿命との差は男性8.73歳、女性12.07歳。調査を始めた2010年以降、この健康寿命と平均寿命の差は減少傾向が続いている。
健康寿命が延びた要因について厚労省は、平均寿命が延びたことや脳梗塞などの脳血管疾患の減少、高齢者の社会参加が広がってきた点を挙げている。
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