両国の絆 より強く
南福祉協議会が記念植樹
ウズベキスタン共和国
ホストタウン交流で功労者表彰
投稿日時:2021年12月24日(金)
行永の東舞鶴公園でこのほど、南福祉協議会(村尾幸作会長)がこれまで取り組んできたウズベキスタン交流を記念して、同公園の展望広場にしだれ桜を植樹した。
同協議会は11月26日、東京2020オリンピック・パラリンピックにおいて、「ホストタウン功労者表彰」を受賞。丸川珠代東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当大臣(当時)名で、感謝状を授与された。「ホストタウンのまち南舞鶴」をスローガンに掲げ、地域を挙げてウズベキスタン共和国との様々な交流活動を展開し、同国との絆を強めてきた。
同国のスポーツ大臣ら一行が当地を訪問した2017年には、地元住民300人が出迎え、歓迎会では児童・生徒が製作した必勝祈願の折り鶴の贈呈に始まり舞踊や琴の演奏の披露、手づくりの昼食会開催など、心を込めての交流を繰り広げた。
今回は、こうした一連の取組みが評価されての受賞となり、同協議会ではこの機会に、地区の更なる発展と次世代を担う青少年の健全育成を願うシンボルとして植樹を企画した。
「桜再生プロジェクト」として同所の整備にも取り組む村尾会長は、「この場所に新たな名所がひとつ加わった。これをきっかけにして、南舞鶴が一層活性化していくことが楽しみです」と笑顔をはじけさせた。
【アルトゥルさん「舞鶴はあたたかい」】
記念植樹の式典には地元住民ら約80人が参加。倉梯小や倉梯第二小の児童をはじめ、南舞鶴女性の会の会員らなど、参加した人たちがそれぞれスコップを手に土を盛っていった。
植樹後には、青葉中合唱部の生徒が歌声を披露。オリンピックのテーマソングになった嵐の「カイト」を伸びやかに歌い上げ、式典に花を添えた。
また、同国からの国際交流員として活躍するレ・アルトゥル・エドゥアルドヴィッチさん(38)は家族で参加。妻のマリナさん(34)と長女のユナさん(5)、次女のライサさん(2)と共にスコップで土を盛った。ユナさんは、「少し緊張したけど、すごく面白かった」と笑顔を見せていた。
首都タシケント出身のアルトゥルさんは、幼い頃に見た黒澤明監督の「七人の侍」に影響を受け、日本に興味を持つようになったという。「侍は強くて道徳心があり、かっこよかった」という憧れが、日本語を学ぶ動機づけになった。
埼玉大や早稲田大大学院へも留学し、学びを深めていったアルトゥルさん。帰国後は、国際協力機構のウズベキスタン日本人材開発センターの講師として日本語を教えていたが、ホストタウン登録を受けて2017年8月、市の国際交流員として再び日本へ渡ることになった。
あいさつに立ったアルトゥルさんは舞鶴の印象を、「日本各地に住んだことがあるが、舞鶴はあたたかい、人と人との距離の近い町」とし、「娘の一人もこの地で生まれた。私の家族の一員には、永遠に舞鶴人がいることになる。これから私も一生懸命に頑張って、日本、舞鶴市とウズベキスタンの関係が様々な分野で広まり深まっていく力になりたい」と決意を新たにしていた。
式典終了後、植樹に参加した住民らは記念写真を撮影。アルトゥルさん家族を中心に広がった人々の輪が、両国の関係が今後さらに円熟していくことを確信させた。
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