地域の宝に光を
中筋小PTA・全校児童に手作りマップ
校区のシンボル「真名井の清水」
知ることで深まる郷土愛
投稿日時:2021年11月16日(火)
市内随一の児童数を擁する中筋小で、同校PTAが地域のことを学べるマップを作成。全児童に配布した。近年、農地などの宅地化が急速に進み、校区内人口が膨らみ続ける同地区。希薄になりつつある土地への関心を掘り起こそうと、努力を重ねる役員らを取材した。
同PTAが作成したのは、「真名井の清水探検マップ」と名づけられた手作りの地図。同校の校歌にも登場し、校区のシンボルとも言える「真名井の清水」を中心に作られている。
真名井の清水は伊佐津川の伏流水が公文名・七日市地区を中心に湧き出しているもので、水源となっている池は3カ所に分かれている。その歴史は古く、丹後風土記に伝説の記述がある他、江戸時代には「御水道(おすいどう)」と呼ばれ、田辺藩の生活用水として利用されていたという。
同PTAの鴨田秋津会長は「コロナ禍で取り組みに制限がある中、密にならず、かつ親子で楽しく気軽に中筋の歴史を学べる取り組みが出来ないかとの思いから、真名井マップの作製に至りました」と制作の経緯を話した。
役員がそれぞれ業務を分担し、完成までに要した期間は3カ月。マップには「マナイー」と名づけられたキャラクターが描かれ、各所の説明をする構成。中筋っ子として登場する「ナカ」と「スージー」が学びを深めていくという内容だ。
実際に自分の足で歩いてみたという梅原卓也副会長は、「幼少期に戻った感じがしました」とし、「子どもと一緒に水や色んな草木の自然を感じ、遊び感覚で学ぶことができた。遊びからの学びは今の時代において必要。是非ご家族で足を運んでほしい」と家庭での活用を呼びかけた。
【ふるさとに誇りを】
マップの作成にあたり指揮をとった鴨田会長は、「実際に現場に何度も足を運びました」と振り返った。歴史を正しく伝えるため、文献を読み漁ることから始め、地元の人や歴史専門家などに取材を重ねてきたという。
またPTAで会計を務める小山千晶さんは、キャラクターの作成や作画を担当。いかにして読んでもらえるかに心を砕き、「手書きの絵や文字で興味を引き付けてから内容を読んでもらおうと、こういう形にしました。会長と実際に歩いて説明を聞いた時、何気ない日常の風景が、昔から守られてきた大切で尊いものだなと感動しました」と笑顔を見せた。
今後のマップ活用について鴨田会長は、「このような古き良き歴史や環境が残っていることを知る人は少なくなっています。マップを通じて子ども達に少しでも伝われば幸いですし、是非とも親御さんにも知ってもらい、中筋と郷土舞鶴に誇りを持っていただく一助となれば嬉しいです」と期待を寄せた。
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