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寄り添う心で動画制作<br>千歳の養徳寺・異色の和尚が2作目を公開<br>「それぞれの音2」出演者は前作の5人から20人に

寄り添う心で動画制作
千歳の養徳寺・異色の和尚が2作目を公開
「それぞれの音2」出演者は前作の5人から20人に

投稿日時:2021年11月02日(火)

 ストレス社会と言われて久しいわが国において、長期化するコロナ禍が環境の悪化に拍車をかけている。そんな中、「こころの健康」を保つ手助けをと、試行錯誤の日々を過ごす人を取材した。

 千歳にある養徳寺の松浦道博住職(56)はこのほど、自身2作目となるショートムービーをユーチューブで公開した。
 今年5月の1作目から、ほとんど間を置かずに制作した次作は、実話をもとにした創作。職業柄、様々な人の話を聞く機会がある松浦住職は、数多くの悩みや苦しみに触れてきた。悩み多き日々を過ごしながらも人々は、いずれ前を向いて歩んでいく。そんなドラマのような話をいくつも耳にした。長年に渡ってそうした経験を蓄えてきた松浦住職にある日、天啓のように一つの考えが沸き起こった「動画を撮ってみよう」。ありきたりなドラマのストーリーを上回るほどの話が、現実にはいくつもあった。そうした物語を人々に伝えることで、希望の種を蒔くことができないかと、松浦住職は考えたのだ。
 その日から、未知への挑戦が始まった。コロナ禍で仕事が減ったことで、幸い自由になる時間には恵まれた。
 全くの無知で臨んだ動画制作だったが、持ち前の行動力が背中を押した。
 一人で始めた活動は次第に広がり、2作目の協力者は20人を超えるまでになった。

【広がる人の輪 不可能を可能に】
 松浦住職は昭和40年、旭川で生を受けた。会社員の家庭で大学卒業まで過ごし、就職で上京。28歳まで東京で会社員生活を送った。
 当時のことを「一生サラリーマンをやるつもりはなかった」と振り返る住職は、導かれるように臨済宗と出会う。岐阜や京都などでの10数年に渡る修行を経て、遅咲きの見習い僧が当地で住職に就いた時には、40歳を過ぎていた。会社員も経験した異色の僧は、これまで様々な悩みに接してきた。それだけに、心に寄り添う存在の必要性を強く感じていた。
 だが、長引くコロナ禍に法話の機会も減少。悩みを抱える人たちに、何とか寄り添うことができないか。そう考えた末にたどり着いたのが、動画制作だった。脚本や撮影、演技指導、編集に至るまで、全てを手掛ける松浦住職は、「素人にしては上手いな、と言ってもらえました」と笑顔をこぼした。
 確実に向上した出来栄えは、集まった人たちの熱量に支えられた。持ち前のチャレンジ精神で、また次なる目標を見据える松浦住職。その周りに集う人の輪は、日ごとに厚みを増している。
 動画は、ユーチューブで「舞鶴 それぞれの音」で検索。1、2作どちらも視聴可能。また、この自主制作映画への出演等、興味のある人は問℡080・6211・3141、松浦さんまで。

制作にかけた思いを語る松浦住職
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