災害に強い地域へ
藤岡組(余部下)治山工事コンクールで知事賞
万全の備えで災害防ぐ
投稿日時:2021年09月21日(火)
記録的な豪雨や土砂災害など、近年多発する自然災害。ことさら惨事を目の当たりにした地域にとって、災害に対する意識を持つことの重要性は計り知れない。2017年には台風21号が多門院地内に大きな爪あとを残し、その後市内業者により復旧工事がなされた。
本格的な台風シーズンの到来を前に、地域住民に安心をもたらした治山ダム工事事業がこのほど、府内最高賞に輝いた。
京都府林業振興会(青合幹夫会長)が主催する「令和3年度治山工事コンクール」において、余部下の藤岡組(藤岡正輝代表取締役社長・34)が、最優秀賞である京都府知事賞を受賞。16日には、府中丹広域振興局(浜)で表彰式があった。
例年、同会の通常総会で行われる表彰式だが、今年は新型コロナの感染拡大を受け、各振興局単位で行うものとした。
治山工事の施工技術向上を目的に毎年実施している同コンクール。今回の対象は、令和2年度中に完成した府内22件の治山工事(契約額1000万円以上)で、構造物の計量・表面仕上げの外見・施工管理・施行条件等を審査項目に審査が行われた。最高賞に輝いた藤岡組の受賞対象は、令和元年10月30日~令和2年9月23日にかけて施行した治山ダム工事。2017年10月の台風21号による被害で、土砂崩れを引き起こした多門院地区の復旧工事だった。
表彰を受けた藤岡社長は、「地盤が悪く重機が沈み大変だった」と、一筋縄ではいかない現場での作業を振り返りながら「めちゃくちゃ嬉しいです」と受賞を喜び笑顔を弾けさせた。
また工事の完成数ヶ月前には、安全に配慮しながら施行現場見学会を開催。参加した地域住民は、災害による多量の土砂や流木が堆積した現場で、治山ダムが機能する様子などについて学び、理解を深めた。
このとき見学会を企画した同地区の多門院長生会の新谷一幸会長は、「子どもたちにも分かりやすい丁寧な説明をしていただき大変ありがたい。災害の恐ろしさや地域の環境を知ることが出来る貴重な機会となった」と感謝の思いを口にした。
今回の受賞にあたり、地域住民の防災意識向上に貢献したとして、こうしたことも高く評価された。表彰を受けた工事はこのあと全国治山工事コンクール(日本治山治水協会主催)へ推薦される。
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