傘寿で4万キロ完歩
13年6ヵ月で辿り着いた「地球一周」
病気の総合商社から一念発起
投稿日時:2021年08月31日(火)
人生100年時代と言われる昨今、健康寿命の延伸が社会の重要なキーワードとなっている。そんな中、コロナ禍も相まって注目されるウォーキング。ここ数年、取り組む人が増え続けている運動を、日々の生活にいち早く取り入れた人がこの夏、4万キロ完歩の偉業を達成した。
大槻隆彦さん(80)=余部上=がウォーキングを始めたのは、2002年のこと。長年勤めた日本板硝子を定年退職し、第2の人生を歩み始めたことがきっかけだった。
50歳を過ぎた頃、不摂生がたたって脳梗塞を患った大槻さん。それ以来、言葉が出しづらくなったり、右手の動きに不自由を感じるようになったという。また、定年前には狭心症と診断され、糖尿病になりかけているとも言われた。
「まさに、病気の総合商社でした」と当時を振り返って、大槻さんは苦笑する。そうした経緯があり、「何とかせねば」と始めたのがウォーキングだった。
「ただ歩くだけではつまらない」と、カメラを携えて歩くことにした大槻さんは、毎日2時間かけて約10キロの道のりを歩くことが日課になった。
仕事に就いている時とは違うゆったりとした時間の流れの中で、歩く道すがら四季折々に様々な発見があった。同じ道でも日によって表情が変わり、飽きることのない風景の移ろいにすっかり魅せられていった。
また、ウォーキングに没頭する日々の中で、次第に仲間が増えていった。
2007年には、仲間に誘われて「北京都ウォーキング協会」に入会し、翌年からは歩行距離の記録をつけ始めた。2010年には、先輩ウォーカーから誘いを受け、四国八十八カ所歩き遍路に挑戦。仲間と共に4人で、7回に分けた全51日間の行程・合計1240キロを踏破した。
仲間との出会いもさることながら、日々の運動で身体は次第に健康になっていった。現役時代には常に腰痛に悩まされていた大槻さんだったが、歩き続ける日々の中で、いつの間にか腰の痛みを感じることがなくなり、その他の数値も軒並み改善した。
こうして歩行距離が年々伸びていき、5000キロ、1万キロと節目を超えると、大槻さんは「地球一周4万キロ」も可能なのではないかと思うようになっていった。気の遠くなる数字ではあるが、歩くことには技術も道具も必要ない。「ただ、時間が解決してくれる」と、来る日も来る日も歩き続けた。
そして迎えた6月30日、ついに大きな節目に到達。この日をもって、歩行距離はついに4万キロを超えた。実に、13年6か月を要した「地球一周」だった。
節目を刻んだ大槻さんは「歩くことで、たくさんの友達もできました。ここまで長い道のりでしたが、ご褒美に健康な体をもらいました。これからもできる範囲で、歩き続けたいと思います」と喜びを語った。
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