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若き料理人が栄冠<br>本市出身 21歳平野さん<br>学生献立メニューグランプリに輝く<br>尊敬する父に近づく第一歩

若き料理人が栄冠
本市出身 21歳平野さん
学生献立メニューグランプリに輝く
尊敬する父に近づく第一歩

投稿日時:2021年07月16日(金)

 京都商工会議所が7月12日、昨年度に取り組みを始めた学生献立メニューグランプリの表彰式を京都市内で行った。
 グランプリに輝いた平野督馬さん(21)は、本市の出身。京都市内のフランス料理店で修業に励む若者に、受賞の喜びを聞いた。

 同グランプリは、大和学園京都調理師専門学校(京都市)と京都商工会議所が連携して昨年から始まった。同校フランス料理上級科2年の学生を対象に、学びの集大成を発揮する取り組み。
 実際にホテルで600人に提供できるオペレーションを考えた上で、メニュー考案をするという難易度の高い課題となっている。
 選考には同校生徒25人が参加。書類審査通過後は、同会議所所属の料理店代表らや、ホテルグランヴィア京都の料理長と部長にプレゼンテーションを行い、試食審査へと進んだ。
 グランプリを勝ち取ったメニューは、「サーモンの低温調理と緑野菜のクーリ」。
 今回のメニューに与えられたテーマが「京都」ということもあり、出品メニューには千枚漬けなどを使ったものなどもあった。そんな中、平野さんは「『ほんまもん』を追求する京都だからこそ、素材の美味しさを最大限に表現できる料理を考えた」とメニューに込めた思いを話した。
 指導に当たった同校の中川佳学科長(42)は、「原価300円以内など、様々な制限の中で考えるメニュー。座学で学んだ食中毒の知識なども総動員して考えなければならない中、よくぞここまで仕上げたと感心している」と賛辞を贈った。
 【険しき道に光】
 市内西地区出身の平野さん。菓子製造業を営む父母のもと、3人兄弟の末っ子として生を受けた。幼いころから、仕事場での父を見て仕事ぶりに憧れを覚えていたが、TVドラマの影響などもあり、フランス料理のシェフを志すようになった。
 今回の受賞について平野さんは「とても嬉しいし、良い勉強になりました」と話す一方、今春から働く京都市内のフランス料理店では悩み多き日々であるという。
 平野さんは「ミスをしたりして、くじけそうになることもあります。でも、今回の受賞で勇気づけられました」と話し、「自分自身が料理の世界で働くようになって、父の偉大さを再確認しました。まずは今の職場に貢献できるようになって、ゆくゆくは自分の店を持つようになりたい」と前を見すえた。
 教え子の受賞をともに喜んだ中川学科長は「なかなか思い通りにいかず、つらい日々だと思う。だけど今回の作品のように、この仕事は誰かを喜ばせられることができるものに違いない。あきらめず、前を向いて頑張っていってほしい」とエールを送った。
 自分の道を歩み始めた若き料理人。その未来が光り輝くことを期待したい。

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