ICT活用で次代の教育を
投稿日時:2020年05月01日(金)
新型コロナウイルスの感染拡大に収束の兆しが見えない中、教育現場への影響が全国で広がっている。国の「緊急事態宣言」を受けて出された府内一斉休校の要請により、私立校である日星高(水嶋純作校長)でも、同校生徒は23日から登校を取りやめた。当初5月6日までとなっていた休校の期限は流動的で、延長される公算が高いと目されている。そんな中同校では、数年前から整備してきた無線LAN「Wi―Fi」環境を活用し、同時双方向型オンライン授業に取り組んでいる。同校の教職員はおよそ45人。それぞれがこれまでに、より質の高い授業を行うべくICT教育(=情報通信技術を活用した教育手法)の実践に取り組んできた。同校教頭の林邦夫さん(56)は「まさかこんな形で、その必要に迫られるとは思ってもみなかった」と話す。教職員らは毎日、教室からオンラインで生徒とコミュニケーションをとる。互いの端末には画面に向かうそれぞれの様子が映し出され、健康チェックに始まり課題の提示や指導助言、進路指導などを画面越しに行っている。「昔では考えられなかったことが、今の教育現場で進んでいる」と林さん。教員生活33年目での環境変化を前に、「試練によって進歩がもたらされる」と現場の危機を前向きに捉える。林さんは、「これまでの授業は一方的な指導だったが、ICTを活用したこれからの授業は、いかに生徒の考える力を引き出してあげられるかが重要。その時々の課題に応じた解決策を効率的に提示し導くコーディネート力が、教師には求められるようになる」と話し、「この機会に学校としての経験値を積み上げて、質の高い教育を提供できるよう、教職員一同で難局に立ち向かいたい」と力を込めた。
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